任意整理の弁護士費用の分割払いと延滞について

任意整理での弁護士費用の相場については、こちらの記事(「任意整理の費用相場はいくら?」)でも解説していますが、大体1社あたり3~4万円の手数料+減額報酬(減額できた金額の数十%)になります。

弁護士報酬の支払いは後払い?!それとも前払い?!

支払方法としては、着手金がない場合にはすべて後払いになります。ただし、任意整理の場合には和解後すぐに、債権者への支払いが開始してしまうため、そこに弁護士報酬の請求が重なってしまうと支払いがかなり苦しくなってしまいます。

任意整理の期間中を利用して弁護士への報酬額分を積み立てておく分割払いの方式が一般的です。

任意整理の弁護士報酬の支払いの仕組みって?!

任意整理の弁護士報酬は、成果報酬、減額報酬などの費用は後払いで、和解後に請求されます。ただし、その報酬の支払い原資は、事前に積立金として分割払いで弁護士に支払うことが多いです。(参考:「任意整理の積立金制度って何?」)

積立金制度
弁護士事務所によって呼び方は異なりますが、任意整理の期間中に予め弁護士報酬の費用を積み立てておく仕組みのことです。任意整理の手続き期間中は、金融業者への支払いが停止されますので、その間に先に弁護士への報酬を分割で支払っておくことで、任意整理後に債権者への支払いと弁護士費用のダブルパンチを喰らうことを回避できます。

 
ここまでの説明だけではわかりにくいと思いますので、以下実際のモデルケースとして弁護士への報酬支払いがどのようになるのかを確認してみましょう。

実際に金融業者6社を任意整理した場合の支払いモデル

以下は実際に金融業者6社について、支払い報酬が1社あたり21600円、総額で129600円の弁護士費用が掛かる場合の支払いモデルです。金融業者への支払いをしなくても済む任意整理手続き期間中を利用して、6カ月(6回払い)の分割で弁護士費用を積み立てます。

弁護士報酬モデル例:6社について任意整理した場合(総額129600円)

 
このケースでは、任意整理の手続き期間は6カ月ということを想定して、6回払いとしています。 任意整理の手続き期間はある程度、弁護士事務所側で調整することが可能ですが、不当に引き延ばすことはできないため、最大でも6~10回での分割払いとすることが多いようです。

和解成立後まで、弁護士費用を持ち越したくない場合は、任意整理期間中の分割払いで弁護士費用を支払いきることが理想です。しかしどうしても支払いが厳しい場合には、和解成立後も少しずつ分割で返済する形になるケースもあります。

弁護士費用の分割払いを延滞するとどうなる?!

任意整理の手続き期間中の、弁護士への積立金や、着手金の分割払いは滞納なく支払うことが非常に重要です。 そもそも弁護士の方も、生活収支や収入状況は把握しているでしょうから、無理な支払い額は要求して来ないと思いますが、浪費や無駄使いにより弁護士費用の支払いが遅延することがないよう注意してください。

分割払いを滞納すると弁護士の辞任もあり得る

この弁護士への積立金の支払いを滞納してしまうと、「この人はお金に本当にルーズな人だな」「計画通りに返済するという約束を守れない人だな」と判断されてしまい、最悪、弁護士に辞任されてしまうことも十分あり得ます。

弁護士の辞任
こちらの記事でも解説していますが、弁護士が任意整理手続きの仕事を途中で降りてしまう(辞退してしまう)ことを「辞任」といいます。弁護士に辞任されてしまうと任意整理手続きは続行できなくなり、新しく弁護士の先生を探すことが必要になってしまいます。

 
繰り返しになりますが、任意整理を希望するのならこの弁護士費用だけは絶対に滞納しないように気を付けてください。誤解を恐れずにいえば、金融業者への返済よりも遥かに重要で優先度が高いと思ってください(気持ち的には、という意味です。)

弁護士は法律を武器にあなたを助けてくれる存在ではありますが、慈善事業やボランティアではありませんので、信用をなくしてしまうと味方になって貰えなくなります。弁護士に案件の受任義務はありませんので、人間的にも「助けてあげたい」と思われるような誠実さは必要です。

 

弁護士費用の分割払いも無理のない金額の設定を

これも借金の返済と同じですが、結局、身の丈にあわない無理な支払い額を約束しても、支払いを継続するのは難しくなります。これは弁護士費用も同じです。

「頑張って支払う意思があるんだ」というのを示すために、毎月の支払額に高い金額を設定してしまいそうになるかもしれませんが、そこは自分の生活レベルにあった無理のない金額の設定が必要です。

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