全国のろうきんで低金利な借り換えローンを利用しよう

労働金庫（ろうきん）は、戦後、銀行からお金を借りることができなかった労働者たちが、労働組合を中心に自分たちでお金を集め、「助け合い」の理念の下に、労働者のための銀行として設立された非営利の金融機関です。

今では、全国に、北海道ろうきん、東北ろうきん、新潟ろうきん、中央ろうきん、長野ろうきん、静岡ろうきん、東海ろうきん、近畿ろうきん、四国ろうきん、九州ろうきん、中国ろうきん、北陸ろうきん、沖縄ろうきんの13団体があります。

それぞれの都道府県の管轄は以下です。

ろうきんの管轄

 
ろうきんは全国的に統合が進められていますが、統合に反対している《ろうきん》もあるため、新潟ろうきんや静岡ろうきん、長野ろうきんのように、都道府県単位で独立しているところもあります。一番大きいのは《中央ろうきん》です。

《ろうきん》ごとの違い

各ろうきんごとに、取り扱っているローン商品も異なります。
カードローンのように、管轄の都道府県に住んでいれば誰でも利用できるローン商品もあれば、負債整理資金ローンのように、加盟会員（生協組合員や労働組合員）でなければ利用できないローン商品もあります。

また労働組合員や生協組合員（以下、組合員）とそうでない方とで、限度額や貸付金利、利用目的などの条件が異なる場合もあります。

消費者金融や銀行カードローンの多くが、「おまとめローン」などの借り換えローンを提供しています。しかし民間のおまとめローンは、いずれも年利12～15％程度と非常に高金利です。

たまに銀行や消費者金融のおまとめローンの広告では、《 実質年率6.3%～15% 》など、かなり幅を広めにして表示されていることがありますが、実際には条件が厳しく、無担保で10%未満の金利で借り換えができることは稀です。

一方、ろうきんのおまとめローン（ ＝ 多くの場合、カードローンや多目的ローンのこと）で借り換えた場合、労働組合の組合員であれば、年利４～６％の低金利で借りれることが多いです。

以下、ろうきんのおまとめローンをいくつか紹介しておきます。

ろうきんの借り換えローン

※ 2017年5月時点調査

上記のように、非組合員の方でも年利６～８％の低金利で借りることは可能です。
ただし《ろうきん》によっては、組合員以外には「借り換え」の用途での利用を認めていない場合があるので注意が必要です。

例えば、中央ろうきんのカードローンは、「組合員のみ、他銀行・カード会社・消費者金融からの借り換え資金として利用できる」と記載されており、組合員以外には、借金の借り換えを目的とする利用は認められていません。

「自分が会員の条件を満たしているかどうか」「借金の借り換えの目的で利用できるかどうか」等は、最寄りの《ろうきん》の支店や営業所でご確認ください。お近くのろうきんの支店は こちらのページ で探せます。

ろうきんの多くには、使途を制限しないフリーローン（多目的ローン）も準備されています。

例えば、近畿ろうきんの「フレックスローン」（参考リンク）や、中央ろうきんの「フリーローン」（参考リンク）がそうです。こちらも、概ね年利３～７％と低金利で、限度額500万円まで借りることができます。ろうきんによっては、借金の借り換えの目的で利用することも認められています。

※ 中央ろうきんの場合は、借金の借り換え目的で利用できるのは組合員限定です。

ろうきんのフリーローンや多目的ローンであれば、返済期間も最長10年に設定されていることが多く、かなり長期間に渡っての返済が可能です。また無担保でも、保証料をろうきんが負担してくれることもあります。

ただし「安定した年収が150万円以上あること」といった条件が付くことがあります。
また多くのろうきんでは、フリーローンを債務整理の目的で利用することは許されていません。後述しますが、債務整理のためのローンは、別の商品名で提供されていることが多いです。

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ろうきんには、債務整理のための融資制度がある？！

ろうきんは、利益の追求を目的とした組織ではありません。労働者や組合員同士の「助け合い」を目的とした非営利組織です。

そのため、民間の消費者金融や銀行ではありえない話ですが、一部のろうきんでは、多重債務者のために、債務整理をするための資金を融資する制度が存在します。

これが「負債整理資金融資制度」です。

 
要するに、多重債務者のために「弁護士費用 ＋ 既存の借金の借り換え資金」を貸してくれる制度だ、と考えればわかりやすいです。

既存の消費者金融や銀行カードローンの借金を、任意整理 ※ などの手続きで圧縮し、できる限り減額した上で、ろうきんから借りたお金で一括返済します。そのための一括返済の資金（借り換え資金）と、手続きのための弁護士費用などを借りることが目的です。

この融資を利用すれば、弁護士費用を用意できない方でも、債務整理をすることが可能です。

また消費者金融やカード会社に対しては、「一括返済すること」を条件に交渉できるので、任意整理の和解交渉を有利に進めることができます。任意整理後は、借り換えた資金をろうきんに対して返済することになりますので、低い金利で長期返済をすることが可能です。

「負債整理資金融資」が用意されているかどうかは、ろうきんによって異なります。
当サイトの調査によると、以下のような結果になりました。

負債整理資金融資の有無

 
上記は2017年5月現在、調査したものです。
ローンの内容や金利などは変更されている可能性があるので、所属する労働組合（または生協）や、最寄りのろうきんの支店に確認してみてください。

またろうきんの多くは、多重債務者向けの相談会なども実施しています。
負債整理資金の貸付けをおこなっていない場合でも、相談には乗ってくれる可能性があるので、借金の悩みを相談したい方は問い合わせてみるといいかもしれません。