任意整理後に住宅ローンを労金で借りれる?!

任意整理後には、個人信用情報機関に事故として登録されてしまうため、原則、5年間は住宅ローンを借りることは難しくなります。これはこちらの記事こちらの記事でも解説していますが、ろうきんの住宅ローンの場合もやはり審査を通すのは難しいのでしょうか?

ろうきんの住宅ローン審査は厳しくないって本当?!

審査基準が一律ではない以上、一概に比較してどの金融機関は審査が厳しいとか甘いということは本来、難しいです。 また任意整理の情報が、JICCや全銀協に残ったままの状態はいわゆるブラックリストの典型ですからどのような金融機関でも、原則として住宅ローンの審査は通らないと覚悟しておいたほうがいいです。

しかし労金は非営利の金融機関ですから、(特に労働組合員の場合は)少なくとも銀行よりは審査基準についても寛容である可能性はあります。

労働金庫
労働金庫は、労働組合や生協などが出資する非営利の金融機関です。生協会員や労働組合員であれば、一般会員に比べても有利な条件(主に保証金の優遇)で住宅ローンを組むことができます。審査基準も銀行の住宅ローンと比較すると、(噂レベルではありますが)基準が緩いと言われています。

 
実際に住宅ローンの審査状況などを投稿する掲示板の書き込みを見ていると、任意整理で喪明けしていない状態(個信に事故情報が登録されたまま)であっても、ろうきんで本審査が降りた、という事例はいくつか見受けられました。

任意整理後、5年以内に労金の住宅ローン融資がおりた例

例えば、以下の男性の書き込みの事例などがそうです。任意整理後、借金の完済はしているもののまだ5年は経過していないケースです。

任意整理後にろうきんで住宅ローン審査が降りた事例

30歳会社員、年収手取り500万、東証1部上場勤続4年目。
武60万 プロミス40万 アイフル50万で3社共にH20に任意整理、H21完済。
今年の秋(H25)で異動情報消える予定だったけど、秋まで待つと消費税5%契約に 間に合わないので、今年の初めにろうきんへ全てを話して相談。
結果、頭金600万、借入希望額2500万、35年固定定額払いで本審査通過。 物件は土地新規購入で新築戸建て。
借入額が低かったからか、頭金を多く積んだからか、労組がろうきんの会員だったからか分からないが、異動情報3社ばっちり載っていても 借入れできましたよって話しでした。

出典:http://anago.2ch.net/

 
これは同様の立場の方からすると、かなり興味深い事例ではないでしょうか。

たしかに、東証一部の上場企業勤務と属性もよく、既に借金も完済済みで任意整理の喪明けまであと半年程度と、比較的、好条件が揃っているものの、異動情報が残った状態のままでも、ろうきんの住宅ローン審査に通ったというのは面白いです。

  • 東証一部上場企業勤務で年収500万円
  • 過去に150万円の借金を任意整理して4年半経過
  • 融資比率は80%、返済比率は20%以下
  • 任意整理の借金は既に完済済み、個信には異動情報あり

 
この方のケースでは任意整理による事故情報が、個信に残っていることを除けば、属性は良いので与信審査で問題ないと判断された可能性が高いのでしょう。もちろん住宅ローン審査はケースバイケースなので、同じ条件で申し込んだからといって、必ず審査に通るということではありません。

融資比率と返済比率の2つの指標を覚えよう

住宅ローン審査の際に重要な与信判断の目安の1つとなるのが、融資比率と返済比率です。これは住宅ローンを借りようとしている方なら、大体ご存知の話だと思いますが、念のために確認しておきましょう。

融資比率
借入比率(融資比率)は、住宅価格のうち何%の部分を金融機関からの借入に頼るのか、という比率のことです。例えば3000万円の住宅で、融資比率100%なら頭金は0円です。逆に融資比率80%なら頭金は600万円、借入金は2400万円です。

 
融資比率の目安は、80%以下だと優良顧客だといわれています。つまり頭金を20%用意できれば、審査を通る可能性はそれだけ高くなるということです。

返済比率
返済比率は、年収に対するローンの年間返済額の割合のことです。例えば、年収600万円の人で、住宅ローンの返済額が年間120万円であれば、返済比率は20%になります。当然、返済比率が低ければ低いほど、収入に余裕があるということで審査条件に有利になります。

 
こちらの返済比率の目安は、25%未満だと合格ラインだといわれています。つまり、住宅ローンの返済にあてる割合は(税引き前)年収の4分の1相当が適当、ということです。

この2つの融資比率と返済比率を確認した上で、上記の事例を見てみると、これらの2つの基準を綺麗に満たしていることがわかります。

 

可能性は低いものの、属性によっては可能性あり

任意整理後、5年間を経過しないうちにろうきんで住宅ローンを借りられる可能性ですが、あくまで原則は難しいものの、(1)年収の状況、(2)頭金の金額、(3)現時点での残借金の有無、などの複数の属性や条件によって、僅かながらチャンスがある可能性はあります。

ろうきんは特に、こちらの「借金をろうきんで借り換えて任意整理する方法」でも解説しているように、任意整理資金の融資を行うなど、多重債務や債務整理の問題にも比較的寛容なイメージがあります。労働組合会員であれば、喪明け前でも可能性はあるのかもしれません。

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