任意整理の延滞等で弁護士に辞任されてしまうケース

任意整理などの依頼を弁護士が受任したとしても、その後に依頼者に落ち度があった場合には弁護士に辞任されるケースがあります。任意整理で特に多いのは、分割払いのお金の未払いが続いたケースです。

任意整理での弁護士辞任って?
ねえねえ、先生ー!
任意整理でいう”弁護士辞任”って何なのー?! どうして弁護士の先生が担当を降りちゃうことがあるのかなー?!
そうだね。弁護士費用の着手金の分割払いが支払われないとか、任意整理の和解契約後に何度も支払いに遅延がある、といった依頼者に落ち度があるケースでは弁護士に辞任される場合があるね。
ふーん、なるほどー。
任意整理で約束した通りの支払いをしなかった場合などに、弁護士の先生が辞任することがあるっていうことなんだねー。
特に任意整理では、和解契約の締結後も、支払いの延滞などがあるとまずは債務者本人ではなく弁護士事務所などに連絡がいくことも多いから、2回以上の延滞が続くと辞任されてしまうことが多いね。

 
こちらの「任意整理後に支払いを滞納するとどうなるの?」の記事でも解説しているように、任意整理では和解契約の内容に「2回以上の滞納で期限の利益を失う」という文言が盛り込まれることが一般的です。

任意整理では2回滞納が続くと一括請求される

期限の利益喪失とは「約束の期日が来るまで返済しなくて良い権利」が喪失する、ということです。 つまり、任意整理後に2回以上の滞納があると、貸金業者は滞納者に対して残りの借金を一括請求できるようになり、債務者はそれに応じる義務があります。

任意整理後に2回以上、滞納が続くと弁護士に辞任される?!

弁護士の仕事は本来でいえば、任意整理での和解契約を締結するところで終了です。しかし弁護士事務所(または司法書士事務所)によっては、その後の完済までのフォローや相談に応じてくれるところも多く、また事務所によっては返済を代行する会社もあります。

弁護士事務所が任意整理後の振込を代行するケース

任意整理後に、3社~5社といった複数の金融業者の口座に毎月、決められた額を振り込む手続きは、管理が面倒ですし大変です。弁護士事務所によっては、この任意整理後の各債権者ごとへの振込などの事務作業を代行してくれるところがあります。

債務者は弁護士事務所に、まず返済予定額を振り込み、そのお金を弁護士事務所が任意整理した対象業者に支払います。非常に便利なサービスではありますが、1社あたり1000円前後の送金代行手数料を取られることが多いです。

送金代行手数料
単に「振込手数料」という場合や、債権管理手数料といわれる場合もあります。返済する業者がたくさんある場合、債務者が直接、各消費者金融などの業者に支払い金額を確認して振り込まなくても、手数料を支払うことで、合計額だけを弁護士事務所に振り込めば、細かい内訳作業は弁護士事務所が代行してくれます。

 
この振込手数料は、例えば大手事務所でいえば、アヴァンス法務事務所さんなどが有名ですが、他の中小司法書士事務者や弁護士事務所でもフォローサービスの一環として用意されていることがあります。

このような場合は特に、任意整理後に返済が滞ってしまうと、弁護士事務所の方でも和解契約とおりの支払いができなくなってしまいます。そのため、2回以上の滞納があると、すぐに弁護士に辞任されてしまうケースもありうるのです。

2回以上の返済滞納で、弁護士にも辞任されたらどうする?!

前述のように、任意整理で2回以上返済の滞納がある場合、貸金業者側は残りの借金を一括請求することができるようになります。任意整理は特定調停とは異なり、和解契約書そのものは債務名義にはなりませんので、直ちに強制執行の手続きに踏み切ることはできません。

任意整理と債務名義
貸金業者が強制執行による取り立て(給与の差押え等)を行うためには、「債務名義」といわれる裁判所等の発行する公的文書が必要になります。任意整理の和解契約書はこの債務名義にはあたらないため、業者が強制執行をおこなうためには、別の法的な手順を段階的に踏む必要があります。

 
しかし、事態をそのまま放置しておくと、「借金残高の一括請求」 ⇒ 「裁判所への簡易裁判、または支払督促の申立て」 ⇒ 「強制執行」の流れで、財産や給与振込の一部を差押えられる展開になることも十分に考えられます。

このような状況で、弁護士にも見切りをつけられて辞任されてしまった場合には、どうすればいいのでしょうか?

新しい弁護士を立て直して再交渉する

1つの選択肢としては、新しい弁護士をもう一度、選任して任意整理の交渉にあたる、という方法です。しかしこちらの「過去に任意整理をしている場合、2回目の任意整理はできる?」でも解説しているように、2回目の任意整理が成功する確率は極めて低いです。

二度目の和解交渉が難しい場合の他の選択肢としては、新しい弁護士を立て直して、今後は個人再生や自己破産といった別の債務整理を試みるという方法もあります。個人再生や自己破産であれば、今よりも借金負担が軽減される可能性も高くなります。

自分で直接、貸金業者と交渉してみる

一般的には、任意整理後であっても金融業者から直接、債務者本人に連絡が来ることは少なく、支払いに遅延があったとしてもまずは弁護士事務所に連絡が行くことが多いです。そのため、支払遅延などの相談も、弁護士を通じて貸金業者とやり取りすることになります。

しかし弁護士が辞任してしまうと、それはもう出来ません。他の弁護士を立て直す余裕がないのであれば、自分で任意整理の再交渉をするしかなくなります。再交渉のポイントとしては、以下のような内容になります。

  • 正直、経済的に一括返済はできない旨の説明
  • 今後、何回で遅れを取り戻すことができるかの説明
  • なぜ今回、滞納になってしまったかの事情説明
  • 今後はもう延滞はおきないことの説明
  • 滞納分は数カ月で取り戻すことを前提に、分割払いの継続の交渉

 
任意整理後の返済滞納に対する、金融業者の姿勢は、会社によってもかなり異なります。例えば、アコムやモビットといった大手消費者金融は比較的対応が厳しく、すぐに一括請求の催促を特別配送で郵送してくることも多いようです。(自業自得なので当たり前ですが)

またこの再和解の交渉は、任意整理後の支払い実績にも左右されます。例えば、既に任意整理後に残額の半分以上を支払った実績がある方の場合は交渉がしやすくなるようです。一方で、任意整理後からまだ間もない、返済期間も短い状態での再和解はかなり厳しくなります。

弁護士の辞任を避ける上で重要なポイント!

原則、任意整理では2回以上の滞納はNGと覚える

任意整理後の延滞に対して、比較的、寛容な会社もあるようですが、やはり原則は2回以上の滞納はNGと覚えておきましょう。

とある掲示板の書き込みでは、任意整理後にどうしても支払いが出来なくなり、延滞の相談を司法書士にしたところ、「絶対にヤバい。2回目だからもう無理だろう」といわれて、慌ててテレビを売って切り抜けた、という猛者もいるそうです。

延滞をしなければ弁護士に辞任されてしまう心配もありませんし、どんな手段を使っても何とか切り抜けられるよう努力する姿勢は必要かもしれません。

返済できないことがわかったらすぐ連絡!

これは本当に色んなところで言われていることですが、消費者金融などの債権者側からしても、何の連絡もなしに返済を滞納するのか、それとも事前に返済できない旨を連絡しておくのか、で全然心証が違います。

憂鬱で気が重いかもしれませんが、返済できないことが事前にわかっているのなら、すぐに金融業者か担当の弁護士に連絡を入れるようにしましょう。これは間違いなく、早ければ早いほど良いです。

 

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