ZOZOTOWNのツケ払いの滞納は任意整理の対象になる？
ZOZOTOWNのツケ払い（後払い）による滞納分は、任意整理の手続きには含めずに、手続き外で返済するのが一般的です。クレジットカードのリボ払いやアコムのようなカードローンの借金とは異なり、ZOZOTOWNのツケ払いには利息や手数料・遅延損害金が発生しないので、弁護士を介して交渉しても返済額が減るわけではないからです。
クレジットカードのリボ払いがキツくて任意整理をしようか迷ってるんだけど、そういえば、ゾゾタウンでツケ払いにして放置してるお金もあるんだよね。これも債務整理した方がいいのかな？
５万円の返済を債務整理するために、弁護士さんに４万円払ってたら、全然意味ないっていうか、本末転倒だよね。
でも任意整理をしたら返済額が減るってことはないの？
任意整理は、弁護士が仲介に入ることで「利息や延滞金は払いません。その代わりに借りた元金はちゃんと分割返済するので、それで勘弁してください」と交渉する手続きだから。減るのはあくまで金利や手数料であって、元本は減らない。
ゾゾタウンさんのツケ払い分には、利息も手数料も延滞利息もないもんね。弁護士さんに任意整理をお願いしても、買い物代まで交渉で安くしてくれるわけじゃないんだね。
クレジットカードのリボ払いには重い手数料が、アコムのようなカードローンには高い利息が、携帯料金の未払金には延滞利息や遅延損害金がかかります。そのため、弁護士に相談して任意整理することで、自分１人で返済するよりも最終的な返済の総額を減らすことができます。一方、ZOZOTOWNのツケ払いは、現在のところ、会社の方針として遅延損害金などを請求していません。そのため、弁護士に頼んでも返済の総額が減ることはなく、任意整理をするメリットは少ないです。
クレジットカードのリボ払いや、カードローンの返済でお悩みの方は、任意整理をすることで利息負担がなくなり、月々の返済額も小さくなる可能性があるので、弁護士に相談するのがおすすめです。
- ZOZOTOWNのツケ払いの滞納分は、任意整理に含めず自分で返済しよう
- 少額だからと放置するのはすごく危険。早めに払ってしまおう
- ゾゾタウンの未払金を４カ月以上放置すると相手方の弁護士から通知が来る
- すぐに支払えない場合でも、無視せず月１万円ずつの分割払いの相談を
- すでに任意整理の手続き中でも、ZOZOのツケ払いを利用することは可能
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ZOZOTOWNのツケ払いの料金を滞納するとどうなる？
ゾゾタウンのツケ払いというサービスは、実質的には「GMOペイメントサービス」という企業が提供しています。そのため、もし後払いの料金を滞納すると、GMOペイメントサービスという会社から請求がきます。
twitterやSNSなどの口コミでの情報を見ていると、滞納後は概ね以下のスケジュールで請求が進んでいくようです。
請求スケジュール
| 期間 | 概要 |
|---|---|
| 期日 | 注文日から２カ月が支払期日。そこまでに購入代金を支払わなければ滞納となる。 |
| ～３カ月 | 滞納するとすぐにショートメール・はがき・電話で請求の督促がくる。電話は最初の数カ月はかなりの頻度でかかってくる。毎日かかってくる場合もある。 |
| ４～６カ月 | ４～５カ月目にメール等で最終通告の通知が届いた後、相手方の契約している弁護士事務所に債権回収が委託される。弁護士事務所の方から受任通知と「支払わないと少額訴訟を提起する」旨の案内が届く |
| ８～12カ月 | （もし本当に裁判所に少額訴訟を提起された場合）簡易裁判所から少額訴訟 ※の呼出状が届く。期日に裁判所に出頭する必要があるが、もし欠席した場合は判決が確定し、相手方は「差押え」が可能になる。銀行口座を知られている場合は預金差押え、職場を知られている場合は給与差押えの可能性がある。 |
| 期日 |
|---|
| 注文日から２カ月が支払期日。そこまでに購入代金を支払わなければ滞納となる。 |
| ～３カ月 |
| 滞納するとすぐにショートメール・はがき・電話で請求の督促がくる。電話は最初の数カ月はかなりの頻度でかかってくる。毎日かかってくる場合もある。 |
| ４～６カ月 |
| ４～５カ月目にメール等で最終通告の通知が届いた後、相手方の契約している弁護士事務所に債権回収が委託される。弁護士事務所の方から受任通知と「支払わないと少額訴訟を提起する」旨の案内が届く |
| ８～12カ月 |
| （もし本当に裁判所に少額訴訟を提起された場合）簡易裁判所から少額訴訟 ※の呼出状が届く。期日に裁判所に出頭する必要があるが、もし欠席した場合は判決が確定し、相手方は「差押え」が可能になる。銀行口座を知られている場合は預金差押え、職場を知られている場合は給与差押えの可能性がある。 |
つまり結論からいえば、６カ月を超えると弁護士事務所から通知がきて、最終的には訴訟を提起されます。
口コミによれば、滞納から４～６カ月目あたりで弁護士法人マーシャルアーツという弁護士事務所に回収が委託されます。そのため、ある日突然、弁護士事務所から「支払わなければ訴えるぞ」という通知が来て、慌てる方も多いようです。
まず少額訴訟って何？
「少額訴訟」は、60万円以下の金額の小さいお金を対象とする裁判です（※）。
１日で終わる簡単な裁判で、請求額10万円までなら費用もたった1000円～で訴訟できるので、少額の債権回収によく利用されます。
弁護士事務所が少額訴訟を申し立てると、裁判所から呼出状が届きます。これを無視して裁判に欠席すると、１日で支払命令の判決が出るので、相手方は強制執行の申立てができるようになります。給料や預金の差押さえが法的に可能になるという意味です。
ただし呼出状に応じて裁判所に出頭して、「きちんと分割で支払う意思があります」「今すぐは支払えない事情があるが、支払う意思はあります」と言えば、裁判官は適切な和解案を提示してくれたり、あるいは分割の支払いや支払猶予、遅延損害金の免除など、債務者側のことを考えた判決を出してくれることもあります。
裁判所は敵ではありませんので、どうしても支払えない場合はちゃんと裁判所に行って説明しましょう。
実際に訴訟の例はあるの？
実際にZOZOのツケ払いの未払いで、少額訴訟を提起された事例はSNSでは見つけることができませんでした。少額訴訟は、同じ簡易裁判所には年間10回までしか申し立てられないという制約もあるため、そう頻繁に利用できるものではありません。
ただ、ほとんどの方は、弁護士事務所から「裁判をする」という通知が来た時点で支払っているでしょう。仮に訴えられたとしても、そのことをSNS等で発言する人は少ないでしょうから、そのような事例を口コミで見ないからといって油断はできません。
相手は債権回収のプロの弁護士事務所ですから、「まあ大丈夫だろう」などと連絡を無視していれば、いきなり裁判所から「支払督促」（※）や「少額訴訟の呼出状」が来ても、全く不思議ではありません。
別の借金で返済する人も
口コミや体験談などを見ていると、やはり弁護士事務所から通知が来た時点で支払っている方が多く、どうしても手元にお金がない方は、キャッシングやカードローンなどでお金を工面して支払にあてる方が多いみたいです。
正直、カードローンで借りて返済に充てることはあまりお勧めはできません（金利の高い借金で金利の低い借金を返済するのは不合理です）。ですが、訴訟されるのは精神的にかなりストレスですし、金額もせいぜい５万円前後ですから、どうしようもない場合はその方法を検討するのもアリかもしれません。
ゾゾタウンのツケ払いを滞納すると、いわゆる「クレヒス」に傷がついて、お金が借りれなくなったり、クレジットカードが作れなくなることを心配する方もいます。
しかし結論からいえば、その心配はありません。ツケ払いのサービスを提供するGMOペイメントサービスが、信用情報機関CIC・JICCに加盟していないからです。
信用情報機関とは、クレジットカード会社が新規でカードを発行したり、アコムのような貸金業者がお金を貸すときに審査で利用する情報機関です。「その債務者が過去に返済を滞納したり、未払いのまま踏み倒してないか？」「過去に破産や債務整理の手続きをしていないか？」といった情報を業者間で共有しており、多くの金融会社が加盟しています。
ただしこの信用情報機関を利用する場合には、お客さんの同意が必要です。
１度でもカードを作ったり、iPhoneの端末代のローンを組んだり、お金を借りたことがある人であれば、「個人信用情報の取扱いに関する同意書」のようなものにサインしたことがあるはずです。ZOZOTOWNの後払いサービスの場合には、そのような同意フォームはありませんので、信用情報が利用されることはありません。
親会社が加盟してるけど？
詳しい方であれば、「GMOペイメントサービスの親会社であるＧＭＯペイメントゲートウェイは、信用情報機関の１つであるJICCに加盟してるじゃないか！」と思うかもしれません（参考ページ）。しかし親会社と子会社はあくまで別会社です。
前述のように顧客の同意なく信用情報を扱うことはできませんので、2021年の現在のところ、ZOZOのツケ払いに関しての情報が信用情報機関に提供されたり、あるいは審査目的で利用されることはありません。
あらかじめ、購入時の契約書で、遅延損害金や延滞利息についての約束をしている場合には、最大で年14.6％の遅延損害金を請求することができます。例えば、スマホの料金を滞納すると、AUでは14.6％、Softbankでは14.5％の遅延損害金が発生します。
また契約時に遅延損害金の定めがない場合でも、民法によって年間約３％までなら遅延損害金を請求することができます。zozotownの後払いサービスの規約では、遅延損害金の項目はありませんが、この理由から年３％の遅延損害金を請求する権利があります。
そのため、催告のメールでは「お支払いいただけない場合には遅延損害金を請求します」との文言が記載されています。ただし私が調べた範囲内では、2021年現在のところ、実際には遅延損害金は請求してこないようです。今後は変わるかもしれません。
2021年時点では、「５カ月ほど滞納して弁護士事務所から通知が来た人でも、支払を完了してからまた数カ月後に利用したら、普通に後払いを利用できた」という口コミの声がありました。
しかし何度も常習的に滞納している場合は、後払いのサービスを利用できなくなったり、利用できる上限額が低くなったりします。また買い物の金額が高い場合に利用できなくなるなど、取引ごとでも審査が行われるようです。
債務整理をする場合にはZOZOTOWNのツケ払いはどうなるの？
ここからはよくある疑問をQ&A形式で回答します。
任意整理は、クレジットカードのリボ払いやカードローン、キャッシングのように、金利の高い借金を整理するための手続きです。「毎月払っても払っても利息が高すぎて元本が減らない！」という方のために、弁護士が間に入り、「この債務者はもう支払えません。ちゃんと元本は返済させますので、利息はマケてあげてください」と交渉する手続きです。
そのため、金利の高い借金の場合には、「最終的な支払総額が減る」「月々の返済額が減る」といったメリットがありますが、例えば、奨学金や公共料金の未払い、あるいは今回のような買い物サイト（ZOZOTOWNなど）のツケ払いの未払金といった、金利のない借金については、ほとんど意味がありません。
例外として、金利手数料がなくても、高い遅延損害金を請求されている場合（延滞利息をとられている場合）や、自分で交渉しても分割払いに一切相手が応じてくれない場合には、弁護士が間に入って交渉するメリットがあります。しかしzozotownの後払いサービスの場合は、GMOペイメントも遅延損害金を請求してこないようですし、ちゃんと電話にでれば分割払いの相談もできるようなので、任意整理するメリットはあまりありません。
任意整理とは異なり、個人再生や自己破産は裁判所が決定する法的な手続きです。
「どうしても返済できません」という債務者のために、裁判所が強制的に「借金を減額します」「借金をチャラにします」と決定する救済制度です。そのため、もしあなたがAさんの借金について裁判所に自己破産を申請しておきながら、別のBさんの借金を普通に返済してしまうと、債権者間で不公平が生じてしまいます。Aさんが「なんであいつの借金だけ返すんだよ！」と怒るわけですね。
これを難しい用語では偏頗弁済（へんぱべんさい）（※）といいますが、これは最悪の場合、裁判所からの免責が下りなくなってしまう免責不許可事由１つです。（参考記事）。
この辺りについては、弁護士さんから具体的な指示があると思いますが、個人再生・自己破産をする場合には、すべての債務を正直に弁護士に伝えて、すべて裁判所に申請しなければなりません。よほど少額であれば、実務上、気にしないケースもありますが、原則的には勝手に特定の債権者だけに返済してはいけません。
任意整理をすると信用情報機関にその情報が登録されるため、新規でクレジットカードが作れなくなったり、お金が借りれなくなったりします。が、前述のように、GMOペイメントサービスは信用情報機関に加盟していませんので、あなたが任意整理していることを知る術はありません。
そのため、あなたが過去にzozotownのツケ払いを何度も滞納したり、未払金が残っていない限り、他のお客さんと同じように上限額の範囲でツケ払いを利用することはできます。
ただし任意整理中であることを考えれば、できるだけ支払いは後回しにせずに、現在、使える手元にあるお金の範囲内で買い物をする習慣をつけた方が良いでしょう。すでに十分わかっていると思いますが、一応、そういう模範的な説明も付け加えておきます。
zozotown側の会社（GMOペイメントサービス）からは、あなたが自己破産した事実は知りようがありませんので、過去に直接的にゾゾタウンに迷惑をかけていない限り、他のお客さんと同様に利用できると思います。
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