特定調停の繰り上げ返済はできる?
特定調停で繰り上げ返済ができるかどうか?を気にする方は多いです。繰り上げ返済とは、毎月決められた額以上の金額を支払うことで、返済期間をより短くするための返済方法です。
特定調停の手続きで繰り上げ返済をすることはできるのかなーっ?! 例えば、毎月2万円の返済と決まっているところを、3万円返済してもいいのーっ?!
早く返済してスッキリしたい気持ちもわかるけど、特定調停に関していえば繰り上げ返済はあまりメリットがないことも理解しておこう。
特定調停後の繰り上げ返済については、特定調停法上の規定はありません。そのため、貸金業者側の担当者さんが「多く支払ってくれる分には構わないよ」というか、それとも「手続きや管理が煩雑になるから、決められた額だけ払ってくれ」というか、それは相談してみないとわかりません。
特定調停後に繰り上げ返済にメリットはあまりない
一般のカーローンや住宅ローンなどにも「繰り上げ返済」はあります。しかしなぜ、一般のローン商品で繰り上げ返済にメリットがあるのかといえば、返済期間が短くなることで金利負担が少なくなるからです。
特定調停の和解後は、そもそも将来利息が免除されるケースが大半で利息が付きませんから、返済期間を頑張って短くする金銭的なメリットはありません。なので繰り上げ返済をするとしたら、「早く返済して楽になりたい」という精神的なメリットのみになります。
繰り上げ返済する余裕があるなら貯蓄する方が得策
特定調停後の返済は、毎月、決められた一定金額を返済し続ける、ということが一番重要です。今月多く支払ったからといって、(返済期間は短くなりますが)来月以降の返済額が減るわけではありません。
特定調停の返済期間は3年~5年間と長丁場です。今は余裕があっても、将来的には一時的に返済のキャッシュが足りなくて困る日が来るかもしれません。そのため、繰り上げ返済をする金銭的な余裕があるなら、出来れば貯蓄しておくほうが得策です。
特定調停の繰り上げ返済を弁護士に相談すると、多くの場合、上記のように勧められるのではないかと思います。「手元に現金を残しておくと使ってしまうかもしれない」という方であれば話は別として、自己管理ができるのであれば、「もしものときのために」できるだけ資金は手元に置いておいたほうがいいです。
特定調停の場合、繰り上げ返済してもしなくても、返済額が変わるわけではありません。その上で、どうしても繰り上げ返済を検討したい、ということであれば、もちろん法律上禁止されているわけではありませんから、相手方の貸金業者に「繰り上げ返済したい」旨を相談するのがいいでしょう。