特定調停の申立てを利用するための要件

特定調停は、誰でも何の要件もなく利用できる手続きではありません。特定調停を利用するためには、たった2つではありますが要件(ルール)を満たさなくてはいけません。それでは今回の記事ではその特定調停の申立てにあたってのルール、要件についてお話します。

特定調停申請の要件は?
ねえねえっ、先生ーっ!
特定調停って誰でも利用できるわけじゃない手続きだと思うんだけど、要件ってあったりするのかなーっ?!
特定債務者の要件はたしかにあるね。「支払い不能のおそれがあること」「借金があること」の2つだ。どちらも当たり前の話だけどね。
特定債務者って、特定調停を受けることが出来る人のことを言うんだよね。もし特定調停にあたらない人が、申立てをした場合はどうなるのーっ?!
もし裁判所が選任した調停委員が、申立て人の債務者を、特定債務者ではないと判断した場合には、調停委員の権限で特定調停の手続きは終了・取り消しにされるね。
特定債務者
特定調停の申立ての対象となりうる債務者のこと。具体的には、借金などの金銭債務が存在していて、かつその返済が滞っているなど近い将来、支払い不能に陥る可能性のがある債務者のこと。

 

特定調停を利用するためのたった2つの要件

特定調停を利用するための要件は実はたったの2つしかありません。

  • 将来的に支払いができなくなる恐れがあること
  • 借金があること

当たり前ですが、特定調停は借金の返済に関する協議手続きなので、「借金がそもそもない」という場合は特定調停を利用することはできません。
また問題なく借金が順調に返済できているのであれば、これまた手続きを利用する意味合いがなくなってしまいます。

そのため、上記のように特定調停を利用するための要件は、「現在、借金がある人であること」「将来的に支払い不能になる可能性があること」の2つが条件とされています。

特定調停の手続きが認められない場合

特定調停の手続きの法律的な根拠となるのは、こちらの「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」になりますが、こちらの目的をまず確認しておきましょう。

第一条、目的には以下のように記載がされています。

支払不能に陥るおそれのある債務者等の経済的再生に資するため、民事調停法 の特例として特定調停の手続を定める

つまり、特定調停は支払い不能に陥る可能性のある債務者の、経済的な救済を目的とした手続きですから、支払い不能に陥る余地がなければ、手続きが認められることはありません。またその他にも、調停委員は以下のようなケースにあてはまる場合には、特定調停の手続きを権限により取り消すことができます。

  • 申立て人が特定債務者であると認められない場合
  • 事件が性質上、特定調停をするのに適当でないと認められた場合

この2つの場合では、調停委員が自らの権限により特定調停の手続きを終了させることができます。

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