免責決定通知書を紛失したら再発行はできるの?
自己破産で無事、裁判所により免責が許可されると、「免責決定通知」が届きます。弁護士に自己破産手続きを依頼している場合は弁護士事務所に、司法書士に依頼している場合は本人の自宅に届くはずです。この免責決定通知は、借金がチャラになったことを証明するための重要な書類なので、必ず保管しておくべきですが、もしなくした場合に再発行はできるのでしょうか?
自己破産したのに、まだ信用情報上では、一部の債権者(貸金業者)の借金が残ってることになってて、ちょっと困ったことになってるんだよね!助けて!
- 免責決定通知書は、弁護士申立ての場合は弁護士事務所に届く
- 通常は後で弁護士から正本を渡されるが、弁護士が保管するケースもある
- 免責決定通知の正本をなくした場合には、裁判所に謄本交付申請ができる
- 単に「免責されたこと」を証明したいなら、免責確定証明書の方がいい
- 免責確定書も、申請書を記入すれば裁判所で150円で発行して貰える
自己破産の免責決定通知書をなくした場合の対処法
裁判所から借金の免責許可が下りると、「免責決定通知」が自宅に届きます。免責決定通知とは、以下のような書類ですね。
「え?これだけ?」と思うような、1枚のペラっとした書面ですが、大事な書類です。
もし弁護士に代理人を依頼している場合は、弁護士事務所に届きます。弁護士のところに正本が届いている場合は、基本的には自己破産の手続きの終了時に、預けている他の書類と一緒に返却されていると思います。
ただし弁護士の先生との約束次第では、正本は弁護士事務所の方で保管して、コピーなどを交付して貰うかたちになっている可能性はあります。自己破産の免責決定通知に限らず、訴訟や和解調書などの正本を、「弁護士の先生に保管しておいて貰いたい!」と希望する方もいるようなので。
その場合は、3年以上を経過していると破棄されている可能性もあるので注意です。
弁護士が依頼にあたって預かった書類の保管義務は原則3年です。これは民法171条で以下のように定められているからです。
ここでいう「責任」というのは、書類の返却義務についての責任のことです。
ただ、自己破産の免責決定通知のようなものを、弁護士の先生との協議で事務所保管にして貰っている場合は、もう少し長く保管してくれている可能性はあります。弁護士の先生に預けている場合には、まず弁護士事務所に正本があるかどうかを確認してください。
もし弁護士事務所にも保管されておらず、自分がなくしたという場合でも、裁判所に再交付を依頼することはできます。
「免責決定通知の謄本をもう一度、発行して欲しい」ということであれば、「謄本交付申請」をすることで再発行をして貰うことができます。詳しい方法は、自己破産を申し立てた裁判所に問い合わせてご確認ください。
ただ「免責されたことを証明する」ために書類が必要な場合には、一般的には「免責確定証明書」の方を取得することが多いです。自己破産の免責は、「決定」されただけではまだ有効ではなく、その後、「確定」して初めて効力が生じるからです。
ちなみにこの免責確定証明書はこちらから申請しない限り交付されない書類なので、自己破産の手続き時には受け取っていないはずです。つまり、まだ貰っていないので「なくしました」という説明をする必要はありません。
なので、例えば信用情報機関に「成約残し」があって、その削除のために「免責決定を証明できる書類が必要だ」と言われた場合でも、裁判所に「免責確定証明書」の交付申請をしてそれを提出すれば良いでしょう。印紙代150円で発行できます。
以下は東京地裁の免責確定証明書の書式例です。
ここにある「免責許可決定確定証明申請書」を記入して、窓口に持っていって提出すれば大丈夫です。※運転免許証などの身分証明書が必要になります。
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