自己破産した借金は家族に請求や支払い義務はある?
借金が支払えなくなったりした場合に、その請求が家族に行くことがあるかどうかを心配される方は多いですが、連帯保証人でもない家族や親族に支払い義務が発生することはありません。
これは自己破産を検討している場合も同じです。立ちの悪いサラ金の場合だと、親や親族、家族などに取り立ての電話をかけるようなケースもあるようですが、これは完全に貸金業法21条の取り立て規制に違反しています。警告文章を(できれば弁護士や法律家経由で)業者に送るか、監督官庁に苦情を申し入れましょう。
前の「借金の違法な取り立てや催促の電話やメールは違法?」で詳しく説明していますが、貸金業法21条の取り立て規制では、「債務者等以外の者に対し、債務者等に代わつて債務を弁済することを要求してはいけない」と定めています。
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借金などの金銭消費貸借契約は、その個人が貸金業者と契約を結んでおこなうものです。もちろん保証人などをたてていれば話は別ですが、原則的にはその本人と業者との契約であり、いくら身内といえども当然、親や兄弟、親族には何も関係がありません。
家族に直接、借金の催促をおこなったり取り立てをおこなうことは上記のようにもちろん違法ですが、そもそも債務者に対して「家族から借りて返済してください」ということを要求するのも貸金業法21条違反なんです。これは意外と知らない方が多いのではないでしょうか?
貸金業法21条6項には以下のような規定があります。
「債務者等に対し、債務者等以外の者からの金銭の借入れその他これに類する方法により貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求すること。」
つまり、債務者以外の人に弁済を肩代わりするよう要求することも違法(貸金業法21条7項)ですし、債務者本人に親や親族などの他人から借入をして資金を調達し、返済するよう求めることも違法(貸金業法21条6項)なんです。これはぜひ知っておきましょう。
もし実際に違法な親族・家族への取り立てを要求された場合には、貸金業法21条違反ですのでその旨を内容証明郵便などで警告するのが良いと思います。弁護士や司法書士などの専門家に介入してもらえばまず間違いありません。
また金融庁などに苦情を申し入れる、という選択肢もあります。昨今は違法な取り立てに金融庁も厳しく、行政処分なども下りやすいです。あまりないと思いますが、それでも違法な親族への取り立てがやまない場合には、刑事告訴を検討してください。
酷い話ではありますが、なかには本人が知らないうちに勝手に保証人として契約させるケースがあるようです。例えば、奥さんが旦那に内緒で、旦那を保証人にして借金をするような場合です。
保証契約がある場合、貸金業者側も堂々と借金の肩代わりを要求してくる可能性もありますが、無断で締結された保証契約は法律上、無効ですので、そういった状況での保証債務は一切支払う必要がありません。