自己破産を就職のときに言う必要は?就職活動への影響
仮に自己破産により債務整理をおこなった場合、その自己破産の事実を就職活動の際などに伝える必要があるのか、不安に思われる方もいるはずです。
結論からいいますと、自己破産をしたかどうか、という情報を就職活動のさいにわざわざいう必要はありません。履歴書や経歴書等にも記載する必要はありませんのでご安心ください。
自己破産してしまったことって、就職活動のときとかに就職先に伝える必要はないのかなーっ? 履歴書に賞罰欄っていうのがあるから気になったんだけどーっ!
履歴書の賞罰欄は、国や地方自治体から入賞や表彰された場合や、逆に懲役や禁固などの刑事罰を受けた場合に、それを記載する必要のある欄のことです。
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履歴書の賞罰欄には、過去に刑事罰等で有罪が確定している場合には、原則として記載の必要があります。もしこの記載の義務を怠ると、履歴の詐称となり懲戒解雇の対象となる可能性があるだけでなく、場合によっては私文書偽造などの罪になることがあります。
しかし一方で、自己破産はもちろん犯罪ではありません。こういったプライベートな手続きについては特に記載の必要はありませんので、記載したくなければ記載しなくて問題ありません。
後から自己破産の事実が発覚したとしても、企業はそれを理由に破産者を解雇することはできません。これは労働基準法の第18条で俗に言う「解雇ルール」が定められているからです。
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、 その権利を濫用したものとして無効とする
現在の法律では、自己破産を理由に社員を解雇することは「不当解雇」にあたることになります。退職を促されても自ら退職する必要はもちろんありませんし、解雇を言い渡された場合でも法律的には「解雇の無効」を主張することができます。
ただし、注意点として法律上、自己破産をしている場合に就くことのできない仕事というのが一部にあります。これを自己破産による職業制限(または資格制限)といいますが、以下の職業には自己破産中は従事することができません。
- 宅地建物取引業者
- 証券会社外務員
- 生命保険・損害保険の代理店
- 警備員
- 弁護士、公認会計士、税理士
- 中小企業診断士、社会保険労務士
- 公証人
- 行政書士、司法書士
- 教育委員会委員、商工会議所会員
これらの職業制限については、「自己破産のデメリットは実は結構少ない」の記事でも解説しています。
このように自己破産によって、職業上、資格上の制限を受ける場合にはその旨は当然申告する必要があります。ただし多くの場合、これらの資格や職業の制限は「免責が確定するまでの間」であり、免責が確定したら復権する場合が大半です。