借金問題と法律の用語集

強制執行認諾文言とは

強制執行認諾文言(強制執行認諾約款)とは、「この公正証書で定めた支払いの約束を履行しなかったときは、直ちに強制執行をして取り立てる旨を了承する」ということに合意する文言です。公正証書にこの強制執行認諾文言が入っていれば、債務者が約束の支払いを怠ったときに、債権者は裁判などの手続きを経ることなく、直ぐに強制執行を申立てることができます。

強行法規とは

強行法規とは、国や社会の秩序を維持したり、立場の弱い人間を保護するために、私人同士の契約や約束よりも優先して適用される法律のことをいいます。強行法規に違反する内容の契約は、たとえ本人同士の合意があったとしても、法律上無効になります。例えば、民法90条の「公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」という条文は強行法規です。

生活保持義務とは

生活保持義務とは、扶養者に対して自分の生活と同じ水準の生活を保持させてあげる義務のことをいいます。例えば、子供の養育義務や、配偶者への扶養義務などは生活保持義務にあたります。この生活保護事務は、「自分の生活を犠牲にしてでも、扶養者に同じレベルの生活をさせてあげる義務」であり、一般的な親子や兄弟、親戚などに対する扶養義務よりも重いものと解釈されます。

未成熟子とは

未成熟子とは、まだ経済的に自立していない、社会的に自立していない子供のことをいいます。必ずしも20歳未満かどうかなどの年齢は関係なく、成人していても、大学に進学していてまだ就職していない学生の場合は、未成熟子になります。

乙類事件とは

家庭裁判所での審判事件には、「甲類事件」と「乙類事件」があります。甲類事件は、相続の放棄、養子縁組の許可、子の氏の変更許可など、単に裁判所の判断を仰げば終わるもので、当事者間で争うものではないものです。一方、乙類事件とは、親権変更、養育費の請求、遺産分割など、当事者間で利害に争いがあるものです。

甲類事件の場合は裁判所の判断だけなので、ただちに審判手続きになりますが、乙類事件の場合は、まずは「調停手続き」により、まず当事者間での話し合いが行われ、自主的に解決できなかった場合のみ、審判手続きに移行します。

内助の功とは

内助の功とは、夫の外での仕事や働きを、妻が家庭で支えることによる功績のことをいいます。専業主婦の方の場合は、直接、外に出てお金(給与)を稼ぐわけではありませんが、家庭内で夫の心身を支えてサポートしていることから、離婚裁判では、原則、婚姻期間中に夫が形成した財産の1/2は妻の功績であると判断されます。

債務名義とは
債務名義とは、債権の存在(貸し借りが存在すること)を公的機関が証明した何らかの書類で、強制執行が可能なものをいいます。訴訟による確定判決の正本(裁判所の支払命令)や、公正証書、仮執行宣言付き支払督促、和解調書や調停調書、などを指します。
例えば、当事者間だけで作成した契約書などは債務名義ではないので、それだけを証拠として強制執行はできません。契約書を証拠として裁判をおこし、確定判決を得れば、強制執行ができるようになります。

【参考】強制執行に必要な債務名義を簡単に取得する方法

弁護士会照会とは
弁護士会照会とは、弁護士法23条の2に基づいて、弁護士会が公官庁や民間の会社、金融機関などの団体に必要な情報の照会を行う制度のことをいいます。(弁護士が個人で照会をするのではなく、まず弁護士会に申出をした上で、弁護士会がその必要性を判断して照会をおこないます。)
主に裁判などで必要な証拠や情報収集のために利用される制度です。照会を受けた企業や団体は、原則として公法上の回答義務を負いますが、回答を拒否しても罰則等がないため、金融機関などは守秘義務を理由に回答を拒否するケースがあります。
調査嘱託とは
調査嘱託とは、民事訴訟をするときの「証拠調べ」の方法の1つです。裁判所に申し立てることで、公官庁や私法人などの団体に調査を嘱託することができます。債務者の財産の調査(預金口座の有無、残高照会)のために、銀行などの金融機関に対して、この調査嘱託の申立てをおこなう場合は、金融機関の支店名まで指定して照会する必要があります。裁判所の調査嘱託には公法上の回答義務がありますが、義務違反による罰則はないため、金融機関は守秘義務を理由に回答を拒否するケースがあります。
仮執行宣言とは
仮執行宣言とは、判決が確定する前に強制執行をすることを、裁判所が許可する宣言のことです。例えば、貸金返還請求や損害賠償請求などの訴訟でせっかく裁判所から支払命令の判決が出たとしても、相手が控訴してきた場合、判決が確定するまでに膨大な時間がかかってしまいます。そこで裁判所に「仮執行宣言」の申立てをおこない、それを裁判所が認めれば、債権者は判決の確定を待つことなく強制執行が可能になります。

少額訴訟債権執行とは
少額訴訟債権執行とは、少額訴訟で確定判決を得た場合にのみ、同じ簡易裁判所に申立てることのできる強制執行手続きです。通常、差押えや強制執行は、地方裁判所に申し立てなければなりません。しかし、簡易裁判所に少額訴訟を申し立てて勝訴し、その判決が確定した場合のみ、簡易裁判所にそのまま執行を申立てることができます。

公正証書とは
公正証書とは、公証役場(法務局管轄)で公証人という専門家が作成する証書のことです。例えば、金銭消費貸借契約書や離婚協議書など、金銭の支払いに関する書面は、2人だけで作成して署名するよりも、公証役場に出向いて2人で合意した内容を公正証書にした方が、証拠力が高くなります。
公正証書の原本は公証役場に保管されますので、紛失や改竄の心配もありませんし、もし相手が債務不履行をおこした場合は(裁判をしなくても)すぐ強制執行が可能です。

【参考】離婚の際に離婚協議書を公正証書で作成する流れ

支払督促とは
支払督促とは、債務者が支払いをしてくれない場合に、裁判所に申し立てて「債務名義」を取得するための方法の1つです。将来的に、債務者の銀行預金や給与を差押えるためには必ず「債務名義」が必要になります。そのため、支払督促は差押えをするための前手続きとして利用されます。支払督促は、相手が異議を申し立てをしなければ最短4週間で確定し、そのまま強制執行が可能になります。一方、相手が途中で異議申立てをした場合、支払督促は効力を失い、通常訴訟に移行します。(参考記事

和解調書とは
和解調書とは、裁判で和解した場合にその和解内容をもとに裁判所書記官が作成する公的な書面をいいます。訴訟による確定判決と同等の効力があり、債務名義となりますので、例えば、相手が和解調書で約束した通りの支払いを期日までに履行しなかった場合は、すぐに強制執行が可能です。
裁判での和解には、裁判前の和解(即決和解)と、裁判上の和解(訴訟後に裁判官の主導で和解すること)の2種類があります。

少額訴訟とは
少額訴訟とは、請求額が60万円以下の場合にのみ利用できるスピード重視の訴訟手続きです。通常、訴訟というのは何回にも渡って口頭弁論や審理がおこなわれ、判決がでるまでに数カ月~半年以上かかるのが普通ですが、簡易訴訟の場合は、原則1回の審理でその日のうちに判決がでます。そのため、債権額が60万円以下で早く確定判決が欲しい場合には、簡易裁判所に少額訴訟を申立てることが多いです。

義務供託とは
供託とは、裁判所から差押命令(または仮差押命令)を受けた第三債務者が、差押えを受けたお金を法務局に預けて裁判所に配当を任せる方法のことをいいます。供託には「権利供託」と「義務供託」があります。
義務供託というのは、差押えの競合が発生したとき(例えば、預金残高50万円に対して、債権者Aさんが30万円、債権者Bさんが40万円の差押えをした場合)に、第三債務者である銀行が、どちらの債権者に対しても直接支払ってはならず、預金全額を法務局に預けて、裁判所の配当手続きに委ねなければならない義務のことをいいます。
権利供託とは
権利供託とは、裁判所から差押命令(または仮差押命令)を受けた第三債務者が、差押えを受けたお金を法務局に預けて裁判所に弁済金交付手続きを任せる方法のことをいいます。例えば、勤務先である職場に裁判所から給与の差押命令が届いた場合、職場は差押えた給与を直接、債権者に支払ってもいいですし、自分で支払わずに供託所(法務局)に丸投げしてしまってもいい、ということです。
弁済供託とは
弁済供託とは、債務者が何らかの理由で債権者への支払いができない場合に、債権者の代わりに供託所(国)にお金を支払うことで、自身の債務を免れる仕組みのことをいいます。例えば、債権者が行方不明の場合や、受け取りを拒絶している場合、あるいは、誰が債権者なのかわからない場合、などのケースが該当します。なお債務者が供託したお金は、最終的には、債権者が供託所に払渡請求をして受け取ることができます。
裁判上の和解とは
裁判上の和解とは、訴訟手続きのなかで裁判官の前で両者が和解することをいいます。民事訴訟では、全体のおよそ半分ぐらいの事案が最後の「判決」までいかずに、途中で「和解の成立」により終結します。訴訟の流れとしては、まず(1)口頭弁論による争点整理がおこなわれた後に、(2)証拠調べに入り証人喚問や当事者尋問が行われた上で、最後に(3)判決が下されますが、それぞれの合間のタイミングで裁判所から和解勧告がされることが多いです。裁判上の和解により作成された和解調書は、債務名義になります。

請求の認諾とは
請求の認諾とは、訴訟をされている相手方の被告(債務者)が、原告(債権者)の主張や言い分を認めて裁判を終結させることをいいます。いわば、民事訴訟上の自白のようなものです。もうこれ以上裁判を続けても、敗訴が明らかで意味がない場合には、請求を認諾することで無駄な時間を省くことができます。相手の請求を認諾した場合は、その内容は「認諾調書」という公的書面に残され、確定判決と同等の効力を持ちます。

仮差押解放金とは
仮差押解放金とは、裁判所が決定した金額を法務局に供託する(預ける)ことで、代わりに仮差押えされた財産を解放して貰う手続きのことです。例えば、不動産の仮差押登記を抹消して貰ったり、職場や金融機関への給与の仮差押えを取消して貰うことができます。この仮差押解放金の供託手続きについては、裁判所から届く仮差押決定書に記載があります。通常は、相手(債権者)の請求額と同額の現金を供託する必要があります。

仮差押登記とは
不動産を仮差押えされると、登記簿に「仮差押」の登記がされます。不動産の仮差押えとは、いわば「強制執行の予約」のようなもので、通常訴訟の決着がつくまでの間に、不動産を売却されないように裁判所に申し立てて不動産を保全する手続きをいいます。
不動産に仮差押登記が付くと、その後に所有権移転や売買がおこなわれたとしても、本訴訟が確定して元の債権者が競売を申立てた場合、新しい取得者は債権者に対抗することができず、新しい取得者の権利は手続き上無視されます。

【参考】預金や給与、住宅の仮差押えの方法と手順まとめ

不確定期限とは
不確定期限とは、「将来おこることは確実だが、それがいつ到来するかはわからない期日」のことをいいます。例えば、「○○さんが死亡したとき200万円支払う」という契約などは不確定期限付きの債権となります。一方、「いつ到来するかが明確な場合」は確定期限といいます。例えば、「2020年4月31日に200万円支払う」という契約は、確定期限になります。

期限の利益とは
期限の利益とは、「期日が来るまでは債務を弁済しなくていい権利」のことをいいます。例えば、「100万円を毎月2万円ずつ返済する」というローン契約の場合、債務者は、逆にいえば「毎月2万円だけ返済すればよく、それ以上は返さなくていい権利」を有しています。これを期限の利益といいます。
一方、期限の利益喪失とは、何らかの債務不履行や契約違反により、債権者に対してこの「期限の利益」を主張できなくなる特約条項のことをいいます。期限の利益を喪失すると、債務者は残りの債務全額を債権者に一括返済しなければならなくなります。
配当要求とは
配当要求とは、わざわざ自分で差押えの申立てをしなくても、他の債権者が既にしている差押手続きに乗っかって、差押えに参加する制度のことをいいます。ただし配当要求はどの債権者でも出来るわけではなく、配当要求ができるのは「債務名義を持っている債権者」か、「文書により先取特権を有することを証明できる債権者」に限られます。

按分配当とは
按分配当とは、同じ債権を複数の債権者が競合して差押えた場合に、それぞれの債権額に応じて差押えた金額を按分して配当することをいいます。例えば、100万円の預金口座の差押えが、債権者Aさん(債権額150万円)と債権者Bさん(債権額50万円)で競合した場合、債権額の比率は3:1なので、按分配当すると、配当額はAさんが75万円、Bさんが25万円となります。
付郵便送達とは
付郵便送達とは、相手が裁判所からの特別送達による郵便物(訴状や執行命令など)を、不在を理由にわざと受け取らない場合などに利用できる制度です。まず準備段階として、被告がその住所地に住んでいることなどを調べて裁判所に報告する必要があります。その上で、裁判所に付郵便送達の上申をして認められれば、訴状などの郵送物を「書留郵便」として送ることができます。この付郵便送達による書留送達は、相手が受け取るか受け取らないかに関係なく、「送達された」として扱われます。
陳述の催告とは
銀行預金の差押えなどの債権執行では、実際に差押えてみるまで「預金口座にいくらの残高があるか?」などを把握することが困難な場合が多いです。そのため一般的には、裁判所からの差押命令と同時に、第三債務者(銀行)に対して「陳述の催告」をおこないます。

陳述の催告をすると、差押命令が銀行に届いてから2週間以内に、銀行から「陳述書」による回答が裁判所に届きます。この陳述書を確認すれば、「預金残高がいくらあるか?」「他の債権者による差押えはあるか?」「弁済する意思はあるか?」などの情報がわかります。

受取拒否とは
受取拒否とは、郵便物などについて「受け取らない」という意思表示を明確にする手続きのことをいいます。例えば、一般の郵便物であれば、「受取拒否」「受取拒絶」などを大きな赤字で書いた付箋や紙を封筒の表にテープなどで貼りつけて、ポストに投函すると差出人に返送されます。
差置送達とは
差置送達とは、裁判所からの特別送達などの郵便物を相手が正当な理由なく受取拒否した場合に、郵便局の配達員がその場に置いて帰る方法のことで、民事訴訟法で認められた送達方法です。訴訟や差押えなどの裁判手続きは、被告が裁判所の郵便物を受領しないと手続きが進まないため、受取拒否をすることが認められません。
書留とは
書留とは、郵便局(日本郵便)の配達方法の1つです。送達過程を記録して正確に相手に届いたかどうかを追跡できたり、万が一、届かなかった場合には50万円~500万円の範囲で実損賠償額を受け取ることができるため、現金や貴重品などを郵送するのによく利用されます。例えば、書留の種類には、現金書留、一般書留、簡易書留の3つがあります。現金書留は、現金を送る専門の書留であり、(あらかじめ損害要賠償額を申し出ていれば)50万円分までの実損補償があります。
転付命令とは
転付命令とは、強制執行で銀行預金や給与などの「債権」を差押えた場合に、裁判所に申し立ててその債権を自分に移転する手続きのことをいいます。つまり転付命令が確定すると、、元々は「債権者 ⇒ 債務者 ⇒ 第三債務者」だったものが、もう債務者は関係がなくなり、直接、「債権者 ⇒ 第三債務者」との間の債権債務になります。そのため転付命令をすると、それ以降、他の債権者が同じ債権を差押えることができなくなり、差押えた債権を独占することができます。

【参考】よく銀行預金の差押えの際におこなう転付命令って何?

代位弁済とは
代位弁済とは、ローン契約(金銭消費貸借契約)で債務者が返済できなくなった場合に、代わりに保証会社(または連帯保証人)がする返済のことをいいます。例えば、住宅ローンやキャッシングなどの返済で、「債務者の滞納が続いたため、保証会社が代位弁済をした」といった文脈で使われます。
代位弁済をした保証会社は、肩代わりして支払った分のお金を債務者本人に対して請求できます(これを求償権といいます)。そのため、元の債務者は、今後は保証会社に対して残額の返済義務を負います。
総量規制とは
総量規制とは、多重債務の防止のため「年収の3分の1までしかお金を貸し付けてはいけない」という貸金業法のルールです。例えば年収300万円の方は、貸金業法の対象となる業者からは合計で100万円以上を借りることはできません。この総量規制の対象になるのは、「消費者金融」「クレジットカード会社のキャッシング」などの貸金業だけで、銀行の貸付(銀行カードローン)やクレジットカードの買い物利用(ショッピング)は対象にはなりません。

【参考】キャッシングやカードローンの限度額の決め方は?

債務整理とは
債務整理とは、弁護士に相談したり裁判所に申し立てることで、借金を減額したり免除して貰う手続きの総称のことをいいます。最も有名なのは「自己破産」でしょう。自己破産を裁判所に申し立てて、免責決定が下りれば、全ての債務が免除されて借金がなくなります。
他にも「自己破産はイメージが悪いからちょっと・・・」という方は、個人再生(裁判所に申し立てて借金を5分の1程度まで減額する手続き)や、任意整理(裁判所を介さずに、任意で和解交渉して月々の返済額を減額して貰う方法)などの手続きがあります。

【関連】債務整理で借金がいくら減るのか無料診断する方法

デビットカードとは
デビットカードとは、銀行などが主に発行している「決済と同時に預金口座からその代金が引き落とされる仕組み」のカードです。いわゆる信用販売(クレジット)の機能がなく、立替払いはできない(その場で口座から引き落としになる)ので、クレジットカードとは違うものですが、「決済」そのものはクレジットカードと同じように使用することができます。

【関連】債務整理や破産後に作るならVISAデビットカードがおすすめ

MNP転入とは
MNP転入(MNP転出)とは、マイナンバーポータビリティのことで、現在、使っている電話番号をそのまま引き継いで、他社の携帯電話に乗り換える仕組みのことをいいます。現在利用している携帯会社に「予約番号」を発行して貰い、他の携帯会社との新規契約のときにその番号を提示することで、他社であっても今のままの電話番号を利用できます。
サービサーとは
債権回収会社(サービサー)とは、金融機関から不良債権(正常な返済の見込みの低くなったダメな債権)の債権譲渡を受けたり、回収委託を受けてこれらの債権回収を専門に行う民間企業です。サービサーが債権回収の業務として取り扱うことができるのは、特定金銭債権(銀行、貸金業者、保険会社等による不良債権)だけであり、また法務大臣の認可を受けた企業しか債権回収業務をおこなうことはできません。
特定金銭債権とは
特定金銭債権とは、債権回収会社が委託を受けて管理・回収することが、法律(サービサー法)によって認められている債権のことをいいます。具体的には、銀行・貸金業者などの金融機関の貸付債権、リースやクレジット債権、倒産手続き中の会社が有する金銭債権、保証会社などが有する求償権、その他、政令指定が定める特定金銭債権などに分類されます。
不良債権とは
不良債権とは、「正常な返済の見込みがなくなった債権」のことをいいます。例えば、債務者が破産申立てをした場合や、多重債務により支払停止に陥った場合、何カ月も滞納が続いて期限の利益を喪失した場合、企業であれば経営悪化により倒産した場合、などに「取立て損なった債権」が不良債権となります。
動産執行とは
動産執行とは、訴訟の勝訴判決や和解調書などによって「債務名義」を取得した債権者がおこなうことのできる強制執行手続きの1つです。動産執行を申立てると、裁判所の執行官が債務者の家を訪問し、持ち物(動産)の中から換金可能なものを差押えてこれを競売にかけることで、債権を回収することができます。
手元不如意の抗弁とは
手元不如意の抗弁とは、債権者の「債務を支払え」という請求に対して「お金がないから支払えない」と被告が主張することです。あくまで法律用語の俗称であり、法的に正式な抗弁ではありません(いくら「お金がない」と主張しても、判決の勝ち負けには全く影響しません。つまり裁判では負けます)。しかしお金がない以上、判決をとってもその先に強制執行することが難しいので、債権者も多少は妥協して和解に応じざるをえず、その意味で「抗弁」と言われることがあります。
擬制陳述とは
擬制陳述とは、被告が裁判の期日に欠席する場合に、代わりに答弁書(または準備書面など)を提出していれば、そこに記載されている内容を「出席して陳述した」のと同じ扱いとして見なす、という制度です。地方裁判所では、被告側は最初の1回目の期日のみ擬制陳述による欠席が認められています。簡易裁判所では、全ての期日で擬制陳述が可能です。

【関連】借金滞納で簡易裁判所から呼出状が!出頭しないとダメ?!

和解に代わる決定とは
和解に代わる決定とは、簡易裁判所でのみ認められている和解の方法の1つです。本来、裁判上の和解というのは、被告と原告の双方が裁判所に出頭していることが原則になりますが、あらかじめ被告と原告のあいだで和解案の合意ができている場合で、被告側から上申書(または答弁書)で和解案が提出されている場合は、被告が裁判期日に欠席していても、裁判官が職権で「和解に代わる決定」を出すことができます。

【関連】借金滞納で簡易裁判所から呼出状が!出頭しないとダメ?!

持参債務とは
持参債務とは民法の原則で、「(特定物の引渡し以外の債務について)当事者間で合意がない場合には、債権者の現在の住所地を債務履行の場所とする」という民法の規定のことです(民法484条)。金銭の消費貸借契約なども、一般的には銀行振込などで支払いをすると思うのであまりピンと来ないかもしれませんが、民法上の義務履行地は「債権者の住所地」になります。

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