過払い金返還請求のブームはあと数年で終わる?!
ここ最近になってまたテレビやYouTube動画のCM広告などで、連日のように過払い金返還請求のCMを見かけることが増えています。一昔前の過払い金ブームを知っている人からすると、なぜ今更になって、また過払い金返還請求が加熱しているのか不思議に思う方も多いのではないでしょうか? しかしこれにはある理由があります。
ここ最近になって、また過払い金返還請求のCMを見かけることが増えたんだけど、そんなに今でも過払い金請求をしたい方が多いのかなー?!
いまでもよく話題に上る「過払い金」ですが、これは元々は2000代前半~2006年にかけて、多くの貸金業者が利息制限法に違反する29.2%という高金利で貸付を行っていたことに起因する問題です。(参考:「過払い金に纏わる利息制限法や出資法、貸金業法の改正まとめ」)
あの消費者金融の全盛期から、何だかんだでもう10年近くが経とうとしています。過払い金返還の請求権の時効は10年なので、2016年を超えると過払い金を請求できる人は激減し、ほとんどいなくなってしまうことになります。
過払い金返還請求をするなら今が最後のチャンス?!
正式にグレーゾーン金利での貸付が法律により禁止されたのは、貸金業法が段階的に施行された2008年~2010年にかけてです。
しかし2006年頃には、最高裁の判決により、利息制限法に違反する金利で貸し付けた金利はすべて無効である、という結論が出てしまっていましたので、2007年頃にはほとんどの貸金業者が貸付金利の見直しをおこない、金利の大幅引き下げをおこなっています。
金利の引き下げ時期 | 改正前金利 | 改定後の金利(当時) | |
---|---|---|---|
アイフル | 2007年8月1日以降 | ~29.2% | ~20% |
アコム | 2007年6月18日以降 | ~27.375% | 12%~18% |
プロミス | 2007年12月19日以降 | 13.5~25.55% | 7.9~17.8% |
まだ一部の当時のニュースページが残っていました。「アイフル、新規の貸出上限金利を引き下げ」でアイフルの金利引き下げがニュースになっています。他にも、プロミスやアコムについても、いずれも2007年のうちに金利引き上げを行っていたことがわかります。
上記などのデータを見ても、2008年以降に新規取引として大手の消費者金融から借入を行っている方の場合は、過払い金が発生している可能性はほとんどないということがわかります。
過払い金を請求できる期限は、完済した時から10年です。
2008年以前の借入分であれば、多くの方が既にどこかのタイミングで完済しているでしょうし、2008年以降に過払い金の対象者が新たに生まれることはほぼあり得ないので、2017年~2018年を境に過払い金請求の件数が大きく減るのは間違いありません。
こちらの記事でも詳しく解説していますが過払い金の返還請求権は、法律上の用語では「不当利得返還請求権」にあたります。これは民事上の普通の債権と同様なので、10年間行使しなければ消滅することになります。
ここ1年でまた過払い金返還請求を告知するCMが急増しているのは、このように過払い金返還請求権が時効で消滅するまでの残り時間がかなり短いことが背景にありそうです。弁護士の方からしても、言い方はアレですが「最後の狩り時」だということでしょう。
このように2017年~2018年頃までには、過払い金請求の件数は激減する可能性が高いです。ただし全ての人が2017年を境に過払い金請求ができなくなるわけではありません。
過払い金返還請求権の消滅時効の起算点は「完済時から」なので、2007年以前から借入をしている方で、その後も継続的に同じ業者から貸し借りを繰り返している方であれば、まだ過払い金を請求できるチャンスはあります。
例えば、2006年にはじめて消費者金融で借入をして2010年頃に完済している場合は、消滅時効が成立するのは2020年になります。完済したのが2013年であれば、時効成立は2023年です。
ただ、あれだけの過払い金の騒動があって、連日のように過払い金のCMを耳にして、かつ、その後もずっと継続して消費者金融を利用しているような方で、まだ一度も過払い金請求を検討したことのない人の絶対数は少ないでしょう。
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