過払い金の受け取りまでの期間と受け取り時の注意点

過払い金の返還請求をして、相手方の貸金業者が返還に応じたり和解が成立した場合には、実際に発生していた過払い金を弁護士(司法書士)経由で受け取ることになります。この記事では、過払い金の受け取り時のポイントや注意点について解説します。

過払い金の受け取り時の注意点って?!
ねえねえ、先生ー!
過払い金返還請求をした場合って、受け取りまでにはどのくらいの期間がかかるんだっけー?!
貸金業者との取引履歴や領収書などを保管していない場合は、まず取引履歴の開示請求から順番に行う必要があるから、約4カ月~8カ月くらいトータルでかかることになるね。訴訟をする場合は全部で1年ぐらいかかることもある。
そっかー、やっぱり受け取りまでにある程度の時間はかかっちゃうことになるんだねー。ちなみに、過払い金を受け取るときって普通は銀行口座の振込での受け取りになるのかなー?!
そうだね、基本は口座振込での受け取りになる場合が多いだろうね。もちろん依頼者の希望があれば、現金で事務所で受け取れるよう手配してくれる事務所も多いだろうから、相談してみる価値はあるけどね。

 
過払い金請求の受け取りまでの期間は、一般には4~8カ月とされていますが、実際には各貸金業者ごとにかなりの差があります。例えばアイフルなどは、経営戦略として露骨に過払い金の支払いの先延ばし(敢えて支払いまでの期間を長引かせる方法)を採用しているため、過払い金請求も長期化しやすい傾向にあります。

過払い金の受け取りまでの期間は?!

以前に解説した「過払い金返還請求にかかる期間はどれくらい?」の記事でも述べていますが、過払い金請求について弁護士などの専門家に依頼してから、実際に返還された過払い金を受け取るまでの期間は、通常、訴訟をしない場合でも4カ月~8カ月程度かかる、とされています。

まず準備期間が2カ月程度必要

業者に過払い金請求を行う前に、まず弁護士などの法定代理人は過払い金の額がどのくらい発生しているかを正確に計算します。そのため、この際に貸金業者に過去の取引履歴や明細の開示請求をおこなったり、利息引き直し計算により過払い金の額を計算するための準備期間が必要になります。

取引履歴の開示請求
過去の貸金業者との取引で生じた過払い金について、その額を正確に把握するためには、取引明細が必要になります。貸金業者側は債務者に取引履歴の開示を求められた場合、原則としてそれに応じる義務がありますが、開示までにかかる期間は各貸金業者によって異なります。

 
この過払い金請求のための準備期間が通常、1~2カ月程度とされています。実際の期間は、貸金業者がどれだけ迅速に取引履歴の開示請求に応じてくれるかによっても異なります。

過払い金返還請求から返還までに3カ月

貸金業者に過払い金の返還請求をしてから、実際に過払い金が返還されるまでの期間は、和解のケースでおよそ3カ月前後と言われています。ただしプロミスやレイクなどは(和解の場合)比較的スピーディーに返還に応じてくれる場合が多いですが、アイフルなどのノンバンク系の消費者金融の場合は、返還までにかかる期間が長期化する傾向にあります。





貸金業者別の過払い金返還までの期間目安

ベリーベスト法律事務所のLEGALMALLというサイトのこちらの記事に、各貸金業者ごとの過払い金の返還までの目安期間が記されていました。こちらが大変参考になる内容だったので、以下表にまとめてみました。

業者名 和解に応じた場合 訴訟をした場合
アコム 4-5カ月 6-8カ月
プロミス 4-6カ月 6-8カ月
レイク 4-5カ月 6-7カ月
CFJ 3-4カ月 9カ月
アイフル 6-7カ月 1年

 
最近の過払い金返還請求では、業者側は実際に発生している額よりも低い額での和解を申し入れてくるパターンが多くなっています。和解に応じた場合と、和解を拒否し満額請求で訴訟をおこす場合とで、解決までにかかる時間も異なってきます。

訴訟をする場合は、弁護士費用や報酬額も変わってきますので、結果的にどちらの方が得になるのかは慎重に判断する必要があります(参考:「過払い金はいくらからできる?」)

過払い金の受け取りは現金でも可能?!

さて実際に過払い金の返還請求に成功したらいよいよ受け取りです。多くの法律事務所では、返還された過払い金の受け取り方法として、

  • 指定の銀行口座への振り込み
  • 事務所での現金での受け取り

 
の2つのパターンを用意している場合が多いです。(もちろん詳細は法律事務所によっても異なる場合がありますので、顧問の弁護士に相談してください。)

家族にバレたくない方は現金受け取りを希望するケースも

金額が100万円以上など大きくなる場合には、数えるのも大変なので通常は銀行口座への振込で受け取りを希望する方が多いでしょう。しかし家族で共有の口座を使っている方や、妻(夫)が口座を管理している場合などで、家族には知られずに過払い金請求をしたい、という場合には現金での受け取りを希望することも可能です。

 

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