個人再生の再生計画が取り消しを受けるケースって?
個人再生の再生計画案を提出して、裁判所の認可が決定すると晴れて借金が減額されることになります。あとはコツコツと真面目に返済をおこなっていくだけで、借金から解放される日が見えてきます。
ただし裁判所から再生計画の決定が下りたからといって油断してはいけません。個人再生の手続きや弁済を誠実におこなっていれば基本的に問題はないはずですが、一部のケースでは再生計画の決定を取り消される場合があります。
いくつかの事項に当て嵌まった場合には、一度決定した個人再生の再生計画でも取り消しを受ける可能性がある、っていう話を聞いたんだけど、これって本当なのかなーっ?!
個人再生の再生計画が決定されたからといってすぐに安心するのはまだ早いです。再生計画案の認可は、これからの返済計画のスタート時点に過ぎません。再生計画の取り消しになる事案で最も多いのが、再生計画の弁済を怠ったケースです。
債権者も再生債務者が本当にキチンと支払いを行うか、しっかり目を光らせています。もし再生計画の履行が正当な理由なくおこなわれなかった場合には、貸金業者側の申告で裁判所から、再生計画が取り消される場合があります。
再生計画の取り消しにあたる事項
他にも再生計画の取り消しを受ける可能性のある事項としては、以下のようなものがあります。
- 再生計画が不正な手続きにより成立したものであることが発覚したとき
- 再生債務者が正当な理由なく、再生計画の履行を怠ったとき
- 計画弁済額が、再生計画認可決定時の清算価値保障を下回っていたとき
もっとも事案として多いのは、再生計画の履行を怠ったケースであることは既に説明しました。ただし計画の不履行については、正当なやむを得ない理由がある場合には、再生計画の延長や、ハードシップ免責が認められる可能性もあります。
1番目の「再生計画が不正な手続きにより成立したものであることが発覚したとき」というのはどのようなケースが考えられるのでしょうか? 最も多いのは「財産の隠蔽」です。
個人再生では、最初に財産目録を提出し、全ての債権や財産を裁判所に申告する必要があります。個人再生手続きでは、この財産目録など個人の財産状況(資産額)をもとに再生計画の支払い額を決定します(参考:「個人再生の最低弁済額と清算価値保障について」)
資産や財産の一部を隠匿して裁判所に申告すると、借金の返済額が少なくて済んでしまうことになります。ですが、もちろんこの手続きの方法は法律違反にあたるので、発覚したら再生計画を取り消されます。当然ですが、絶対にこのようなことは行わないようにしましょう。