個人再生の申立書と陳述書の書き方

個人再生では裁判所に申立てを行うにあたって、再生手続き開始申立書という書類が必要になります(参考:個人再生の必要書類は?裁判所の申立てに必要な書類一覧)。

個人再生の申立書には、個人再生をおこなう本人の氏名と、申立代理人の氏名を記載、および申立ての理由をあわせて記載します。また通常、申立書とは別に、個人再生の申立てに至った経緯の詳細などを「陳述書」として提出します。
 

個人再生の申立書って?

申立書

再生手続き開始申立書はこちらのようなものです。
以前の記事でも説明していますが、申立書では「申立人」の本人氏名と住所、および申立代理人(弁護士)の氏名を記載します。

またそれとは別に、月々の予定返済額と、分割予納金の支払い期日も合わせて記載します。(分割予納金は、予定返済額が本当に支払えることを証明するために、裁判所に仮支払いをおこなう制度です。後々、諸経費を差し引いた後に返還されます)

申立書のダウンロードはこちら(日本弁護士連合会)

申立ての理由について

申立ての理由については、大抵は以下のように記載することが多いです。

申立ての理由

申立人負担の債務は、添付の債権者一覧表に記載のとおりであり、総額○○万円を超えていないんが、収入および主要財産は別紙収入一覧および主要財産一覧(あるいは陳述書)に記載のとおりであり、破産の原因となる事実の生ずるおそれがある。
申立人には将来において継続的・反復的に見込める収入があり、また民事再生法25条各号に該当する事由はない。

 
詳細については申立て時に添付する別紙の、「収入一覧および主要財産一覧」「陳述書」などで説明することが多いですが、申立書では、要するに「このままだと破産する恐れがある」「個人再生の適用条件は満たしている」の2点を記載することが多いです。

 

民事再生法25条各号

上記の申立書で記載している「民事再生法25条各号に該当する事由はない」はどういう意味でしょうか? 民事再生法25条には「再生手続き開始の条件」が定められており、これに該当する場合には裁判所は再生手続きの開始を棄却することが定められています。

 
以下の事由に該当する場合、個人再生を開始手続きが認められないことになりますが、これらの事由に該当しない、という旨を申立書で説明することになります。

再生開始手続きが認可されない場合

(1)再生手続きの予納金がないとき
(2)再生計画案の可決の見込みがないときが明らかな場合
(3)不正な目的で再生手続き開始の申立てがされたとき

 

また住宅ローン特則を利用して住宅ローンの支払いを継続する場合には、その旨もこの再生手続き開始申立書にあわせて記載をおこないます。

申立書とあわせて提出する「陳述書」って?

陳述書

陳述書は、開始手続き申立書には記載しきれない、個人再生を申請するに至った経緯や財産状況などを詳細に説明するための書類です。上記の申立書のダウンロード先リンク(Wordファイル)内に含まれていますので、そのまま記入可能です。

陳述書に必要な項目は、職業の詳細、収入や事業所得の詳細、生活の状況(扶養者の有無)、住居の状況(賃貸か所有住宅か)、家計簿などが含まれます。また陳述書ではなく、収入一覧及び主要財産一覧表を添付することもあります。いずれにしても、簡易的な収入の状況と、財産状況がわかるものを申立て書にあわせて添付する必要があります。

 

収入一覧及び主要財産一覧表って?

WS03312

管轄が東京地裁の場合には、この「収入一覧及び主要財産一覧表」を再生手続き開始申立書にあわせて添付する必要があります。この収入一覧及び主要財産一覧表は、申立人の収入や資産の状況をわかりやすく、簡易的に記載したものです。

中身はかなり簡略なもので、この収入一覧及び主要財産一覧表はあくまで個人再生手続きを開始するかどうか、の判断材料になるものでしかありません。実際に再生計画案が認められるかどうかの判断にあたり、より細かく財産や資産の評価額を記した財産目録と報告書を、申立ての日から10週間以内に裁判所に提出しなければいけません。

「収入一覧及び主要財産一覧表」のダウンロードはこちら(日本弁護士連合会)

個人再生で支払額がいくらになるのか弁護士に相談したい方へ

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