個人再生の必要書類は?裁判所の申立てに必要な書類一覧
個人再生は裁判所に申請が必要な法的手続きですので、必要な書類も多岐に渡ります。個人再生の申立ての際に裁判所に、提出が必要になる書類の一覧をまとめてみました。
提出が必要な書類 | 内容や注意点 |
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再生手続き開始申立書 | 個人再生の申立て書。個人再生手続きの開始決定を裁判所に申し立てる。 |
陳述書 | 個人再生をするに至った事情の説明。他、収入や予定弁済額、負債額など |
収入一覧及び主要財産一覧 | 収入の概算額と年収額面、現預金などの主要財産を書く。東京地裁のみ。 |
債権者一覧表 | 借金の一覧表。会社名、住所、債権額、借入総額などを記載。異議の留保。 |
財産目録 | 財産の一覧表。預貯金や保険、積立金、敷金、売掛金、不動産・車、株券他 |
家計収支表 | 直近2カ月分。同居家族や妻・夫の収支含む。住居費、水道光熱費など |
委任状 | 弁護士への委任状の原本。 |
戸籍謄本 | 本人の戸籍謄本。3カ月以内に取得したものが必要 |
住民票 | 本人の住民票。3カ月以内に取得したものが必要 |
源泉徴収票 | 収入証明のための書類。給与受給者の場合は過去2年分のもの |
給与明細書 | 給与受給者の場合は過去2カ月分のもの。妻や夫、同居家族の分も必要。 |
確定申告書 | 個人事業主の場合のみ。過去2年分のもの |
課税証明書 | 給与以外に副収入や事業所得、一時所得がある場合に提出。 |
預貯金通帳のコピー | 直前に必ず記帳を行うことが必要。給与振込やカード引き落としの確認。 |
保険証券 | 保険の契約内容を証明する証券(証拠証券)。 |
解約返戻金額証明書 | 指定日時の時点での解約返戻金の金額を証明するもの。財産額の確認に必要。 |
退職金額証明書 | 現時点での退職金額を証明する書類。会社が発行。勤続5年以上のみ必要。 |
退職金規定に基づく計算書 | 上記発行が受けられない場合、退職金規定のコピーと計算書を提出。 |
不動産登記簿謄本 | 不動産の所有権や抵当権の確認。過去2年以内の不動産保有でも必要 |
固定資産評価額証明書 | 不動産の税務(固定資産税)上の不動産の評価額。 |
不動産の査定書 | 不動産を市場で売買した場合の現在価値。不動産業者等が見積もり・査定。 |
賃貸借契約書 | 賃貸物件に住んでいる場合。敷金も財産なので、敷金額を確認する書面。 |
車検証 | 車の名義、所有者、使用者などを確認する書類。 |
自動車の査定書 | 車の査定額。現時点で売却した場合の金額。資産額として計上する。 |
住宅ローンの契約書 | 住宅ローンがある場合は、その金銭消費貸借契約書(契約書)を提出。 |
差押決定正本 | 住宅や給与、預金の差押え、仮差押えを受けている場合に必要 |
可処分所得額計算シート | 給与所得者等再生の場合、最低弁済額要件で可処分所得の計算シートが必要 |
清算価値算出シート | 清算価値保障原則の関係で清算価値の計算シートを提出 |
再生手続き開始申立書 |
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個人再生の申立て書。個人再生手続きの開始決定を裁判所に申し立てる。 |
陳述書 |
個人再生をするに至った事情の説明。他、収入や予定弁済額、負債額など |
収入一覧及び主要財産一覧 |
収入の概算額と年収額面、現預金などの主要財産を書く。東京地裁のみ。 |
債権者一覧表 |
借金の一覧表。会社名、住所、債権額、借入総額などを記載。異議の留保。 |
財産目録 |
財産の一覧表。預貯金や保険、積立金、敷金、売掛金、不動産・車、株券他 |
家計収支表 |
直近2カ月分。同居家族や妻・夫の収支含む。住居費、水道光熱費など |
委任状 |
弁護士への委任状の原本。 |
戸籍謄本 |
本人の戸籍謄本。3カ月以内に取得したものが必要 |
住民票 |
本人の住民票。3カ月以内に取得したものが必要 |
源泉徴収票 |
収入証明のための書類。給与受給者の場合は過去2年分のもの |
給与明細書 |
給与受給者の場合は過去2カ月分のもの。妻や夫、同居家族の分も必要。 |
確定申告書 |
個人事業主の場合のみ。過去2年分のもの |
課税証明書 |
給与以外に副収入や事業所得、一時所得がある場合に提出。 |
預貯金通帳のコピー |
直前に必ず記帳を行うことが必要。給与振込やカード引き落としの確認。 |
保険証券 |
保険の契約内容を証明する証券(証拠証券)。 |
解約返戻金額証明書 |
指定日時の時点での解約返戻金の金額を証明するもの。財産額の確認に必要。 |
退職金額証明書 |
現時点での退職金額を証明する書類。会社が発行。財産額の確認に必要。 |
退職金規定に基づく計算書 |
上記発行が受けられない場合、退職金規定のコピーと計算書を提出。 |
不動産登記簿謄本 |
不動産の所有権や抵当権の確認。過去2年以内の不動産保有でも必要 |
固定資産評価額証明書 |
不動産の税務(固定資産税)上の不動産の評価額。 |
不動産の査定書 |
不動産を市場で売買した場合の現在価値。不動産業者等が見積もり・査定。 |
賃貸借契約書 |
賃貸物件に住んでいる場合。敷金も財産なので、敷金額を確認する書面。 |
車検証 |
車の名義、所有者、使用者などを確認する書類。 |
自動車の査定書 |
車の査定額。現時点で売却した場合の金額。資産額として計上する。 |
住宅ローンの契約書 |
住宅ローンがある場合は、その金銭消費貸借契約書(契約書)を提出。 |
差押決定正本 |
住宅や給与、預金の差押え、仮差押えを受けている場合に必要 |
可処分所得額計算シート |
給与所得者等再生の場合、最低弁済額要件で可処分所得の計算シートが必要 |
清算価値算出シート |
清算価値保障原則の関係で清算価値の計算シートを提出 |
これらの必要書類、添付書類は個人再生の申立てと同時に裁判所へ提出します。必要書類は、個人再生を申立てる裁判所によっても微妙に異なる可能性がありますので、詳細は申立て裁判所で確認します。以下、記入方法の解説です。
再生手続き開始申立書には、申立人の氏名や生年月日などを記載します。陳述書には、職業と収入、勤務先、家族構成、同居する家族の収入、負債額、滞納税金、個人再生に至った理由、事情、過去2年以内に処分した財産(不動産、自動車、離婚での財産分与等)、偏頗弁済の有無、債権者との訴訟や支払督促の有無、などを記載します。
また現時点での予定計画弁済額(個人再生の再生計画でいくらずつ返済するか)や、住宅ローン特則を利用するかどうか等も記載します。東京地裁では、ここで記載した予定弁済額をもとに、履行テストが実施されます。
借入先リストとして債権一覧表、手持ち財産のリストとして財産目録を作成します。債権一覧表には、債権者(消費者金融の会社等)の住所や金額、借入の日付け、債務名義の有無などを記載します。
債権一覧表の内容は裁判所から各債権者にも通知され、そこで金額に異議があれば、債権者から「債権届出」がされることになります。
財産目録には、預貯金だけでなく、不動産や車(時価)、保険(解約返戻金)、売掛金や積立金、敷金、退職金なども記載します。また売掛金などの債権は、回収見込額についても記載します。
不動産の価値の算定には、固定資産評価証明書や、民間の不動産業者の査定書の金額を使うことになります。裁判所によっては、固定資産評価額だけで良しとされるケースもあるようです。
また退職金については、受取れる見込額の8分の1を原則、財産として財産目録に記載します。詳しくは、以下の記事を確認してください。
申立てや必要書類の準備は弁護士に依頼すべき?
手続きに必要な書類は、遅延なく迅速に準備・提出する必要がありますが、一般の素人の方がこれらの資料を不備なく完璧に準備するのはなかなか難しいのが現実です。
以下、名古屋裁判所のホームページからの引用です。
個人再生手続は、申立人が主体となって手続を進めていかなければならない制度です。
給与所得者であっても、小規模個人再生手続を利用できるので、どちらの手続を選択するかによって、また、申立書の作成の仕方によっても、あなたにとって有利になったり、不利になったりすることがあります。また、申立書の ほか、財産目録、清算価値算出シート、可処分所得額算出シート、財産状況等報告書、再生計画案、返済総額算出シートなど、複雑でたくさんの書類を裁判所が 定めた期間内に提出する必要があり、それができないとそれまでの手続がすべて無駄になることもあります。
裁判所の窓口では、手続説明はできますが、これらの書面の作成に関してのアドバイスをすることはできません。
申立代理人として弁護士に委任すれば、必要な書類を作成してくれたり、準備が必要な書類や手順をわかりやすく教えてくれますので、弁護士費用は多少高額ですが、通常は弁護士に依頼をすることになります。
もし本人が自分で申立てる場合には、個人再生委員が委任されます。個人再生委員は代理人ではありませんのであくまで中立の立場ですが、再生計画案の作成について助言することも職務の1つとなっています。