過払い金返還請求にかかる弁護士費用の相場はどれくらい?

過払い金返還請求にかかる弁護士費用はどれくらいが相場なのか、意外と知らない方も多いはずです。過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼する場合の費用相場をまとめてみました。

過払い金請求の弁護士費用はいくらかかるの?
ねえねえーっ!先生ーっ!
過払い金返還請求の費用って大体どれくらいを見積もっておけばいいのかなーっ?!
過払い金の返還請求は多くの弁護士事務所では着手金・成功報酬・過払い報酬の3つで支払いをすることが多いみたいだね。着手金・成功報酬は固定費用で、過払い報酬は実際に取り戻せたお金の20%くらいが相場のようだよ。
ふーんっ、そうなんだー、任意整理の費用相場にもやっぱり似ている感じだね! 基本的には取り戻した過払い金のうち20%を支払う”過払い報酬”が報酬金のメインだよね。
そうだね、着手金や成功報酬などを固定で支払うところは似ている。ただし、過払い報酬の相場は、任意整理でいう減額報酬の相場よりも少し高い(減額報酬の相場は10%前後)ことが多いね。また過払い金報酬は、訴訟をする場合は手数料が25%になるところが多いよ。
  • 過払い金請求の依頼費用は、着手金・成果報酬・過払い報酬の3つ
  • 過払い報酬は、取り戻せた返還額の20%が相場
  • 裁判訴訟により過払い金を請求する場合の報酬は25%が相場

過払い金返還請求の費用はどれくらいかかるの?

過払い金返還請求を検討している方でも、過払い金を取り戻すのにどれくらいの費用が必要なのかがわからずに、二の足を踏んでいる方も多いはずです。「弁護士に依頼すると、依頼費用だけでかなり高くついてしまうんじゃないだろうか・・・」という心配をされる方もいるかもしれません。

弁護士費用って不透明でわかりづらい

たしかに弁護士や法律相談事務所の依頼費用というのは、美容院に行くのとはわけが違ってなかなか費用の全体像が見えにくい、報酬の仕組みがわかりにくくて敷居が高い、というイメージがあると思います。
 

弁護士費用は「着手金」「解決報酬金」「過払い報酬」の3つがメイン

弁護士費用(または司法書士費用)は、多くの事務所では「着手金」と「解決報酬金」「過払い報酬」の3つに分類されています。3つの報酬にわかれていることが、一般の方がわかりにくいと感じる理由かもしれません。

弁護士や司法書士費用のモデル-「着手金」「解決報酬金」「過払い金報酬」の相場

そこでこの記事では、過払い金返還請求を実際にするとどのくらいの費用がかかるのかを、いくつか代表的な弁護士事務所を具体例にあげて説明していきます。
 

着手金とは?

着手金は弁護士事務所によっても呼び方は異なりますが、依頼を正式に引き受けるにあたってかかる初期費用で、相場は業者1件につき2-3万円です。弁護士が抱える案件というのは長丁場になることが多いです。

過払い金請求も平均して半年前後はかかるケースが多いと思います。そのため、その案件が成功するか否かに関わらず、最初に「仕事を引き受ける」ことに対しての着手金を求める事務所もあります。ただし最近は着手金無料の事務所が多いようです。

この着手金というのは相談しただけで発生するわけではありません。依頼を正式に引き受けることに対してかかる費用なので、過払い金についての相談や、簡単な過払い金額の計算などは無料でおこなってくれる事務所が多いです。(利息引き直し計算は無料でやってくれる事務所と、やってくれない事務所があります。)

 

解決報酬金とは?

解決報酬金とは、過払い金の返還に成功した場合に支払う成功報酬費用のことで、相場は業者1社あたり2万円です。「成功報酬」と呼ばれることもありますが同じです。

成功報酬なので過払い金が取り戻せたときにのみ、支払いが発生します。また多くの事務所で定めている割合報酬(実際に返還された額のうち数十%のマージン)とは、また別の費用になります。この固定の成功報酬は、設定している事務所としていない事務所があります。

費用相場例 サルート法律事務所 サンク法律事務所 リヴラ法律事務所 アヴァンス法律事務所
解決報酬金 19800円 19800円 19800円 20000円

※各ホームページ記載の費用・2015年5月現在
※各成功報酬金は、債権者1社あたりの金額です
※アヴァンス法律事務所は、「完済口座事務手数料」という名称のものを記載しています

 

過払い報酬とは?

過払い報酬は事務所によっても呼び方が様々で、これを成功報酬といっているところもあります。実際に取り戻せた過払い金返還額の20%程度が相場ですが、和解ではなく訴訟(裁判)をおこなった場合にはさらに5%程度、上乗せの25%くらいになるケースが多いようです。

こちらは後述しますが、弁護士三会の統一基準で過払い報酬の上限を20%(裁判をする場合で25%)まで、と定めていることが理由になります。

費用相場例 サルート法律事務所 サンク法律事務所 リヴラ法律事務所 アヴァンス法律事務所
過払い金報酬 20% 20% 20% 16~18%
訴訟アリ 記載なし 25% 記載なし 18~20%

※各ホームページ記載の費用・2014年9月現在
※裁判訴訟で過払い金を請求する場合、手間や手続きが煩雑になるため報酬は必ず高くなります。ホームページに記載のない場合は、お問い合わせの際にご確認ください。

 
以上が各法律事務所の弁護士費用や司法書士費用の内訳でした。過払い金請求に関しては、弁護士か司法書士か、によって費用が大きく変わることはあまりないようです。

また「事務手数料」などホームページに費用が明記されていない項目が一部あるのは事実で、やはり最終的には問い合わせてみないと金額が幾らになるかわからないケースは少なくないようです。

最終的には、ご自身でまず初めにしっかりと費用について、電話やメールのお問い合わせの際に確認しておく必要がありますね。





過払い金請求の弁護士費用についての取り決めって?!

上記を見て、意外と弁護士報酬って相場費用がキッチリ決まっていて足並みが揃っているんだなぁ、という印象を受けませんでしたか? これは実は債務整理の弁護士費用については、日弁連の発表する「債務整理事件処理の規律を定める規程」に定められているからです。

過払い金の報酬モデルは日弁連で定められている

この日弁連の規定ついては、こちらの記事でも触れていますので併せて参考にしてください。現在では、過払い金報酬は取り戻した金額の最大20%まで(訴訟や裁判による場合は25%まで)と定められています。

過払い金報酬の上限費用
実は過払い金報酬の上限額というのは日弁連の規程で定められています。(着手金や成果報酬などの固定報酬を除く)過払い金報酬の上限は、訴訟を用いない場合で最大20%、訴訟をする場合で最大25%まで、と決められています。

 
この日弁連の規律ができた背景には、やはり過去に不透明な弁護士報酬体系や、高額すぎる過払い金報酬が社会問題になったからですが、現在はそういった問題は社会的にも解消しています。まともな弁護士事務所さえ選べば、初心者の方でも安心して弁護士に依頼しやすい環境になってきています。
 

実際の過払い金回収の弁護士費用モデル

実際にモデルケース(仮)を想定してみましょう。A社、B社、C社の消費者金融にそれぞれ30万円、80万円、50万円の過払い金が発生しているとします。これを相場費用で弁護士に解決を依頼し、かつA社、C社は訴訟することなく解決、B社のみ訴訟をおこなって回収したとすると、費用は以下のようになります。

過払い金請求の弁護士依頼費用

  • 着手金・・・2万円×3社=6万円
  • 解決報酬金・・・2万円×3社=6万円
  • 過払報酬金・・・(80万円×90%×20%)+(80万円×25%)=34万円
  • 戻ってくる過払金・・・152万円
  • 費用合計・・・46万円

 ※和解は回収率90%、訴訟は回収率100%で計算しています。

 
このように、160万円の過払い金を請求するのに48万円の弁護士依頼費用がかかり、手元に残るのは112万円という計算になりました。

これはただの例ですが、対象とする業者の数が少なければ少ないほど弁護士費用は安くなり、また戻ってくる過払い金が大きければ大きいほど、相対的にかかる弁護士費用は小さくなります。

過払い金請求で裁判をするのは得なのか?

またこちらの記事でもシミュレーションを公開していますが、訴訟を提起した場合には弁護士費用が高くなりますので、「過払い金の回収率90%で和解するケースと、回収率100%を目指して訴訟するのとでは、最終的に手元に残るお金は変わらなかった」ということもあります。

和解で提案された回収率がどのくらいかにもよりますが、過払い金請求で訴訟を検討する場合には、この辺りの弁護士費用も含めた返還額のシミュレーションをしっかり行う必要がありそうです。

 

もし過払い金が発生していなくても、任意整理で月々の借金の返済額を減らすことは可能です。過払い金がないか知りたい方、任意整理で借金がいくら減るか知りたい方は、「アヴァンス法務事務所」に無料で初回相談してみましょう。銀行カードなど金利が18%以下の方でも、任意整理なら相談できます。

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