過払い金の計算方法と計算ソフト(Excel)を紹介
過払い金の計算方法は、利息の引き直し計算でおこないます。約定利息(契約上の利息)を、法定利息(利息制限法の上限利息)で再計算することで過払い額がわかります。
過払い金が発生しているかどうかを自分で計算してみたいんだけどっ、どうやって計算すればいいのーっ?!
でも何度も借金を借り換えしていたり、返済と同時に借入を繰り返したりしていると、計算は凄く複雑になりそうだねー。
- 過払い金の計算は任意整理の利息引き直し計算と同じ
- 過払い金の計算ツールはネット上でも複数公開されている
過払い金ってどう計算するの?! 過払い金の計算方法とは
過払い金の計算方法は以前、任意整理のときにも紹介した利息の引き直し計算と原則的には同じです。つまり、取引開始時点まで遡って、本来払うべき利息制限法上の利息(上限20%)で再計算し、払いすぎた差額(過払い金)を計算する作業になります。
現在まだ返済中であれば、計算した過払い金を借金残高の返済にあて、それでもまだ残った分があれば過払い金として返還請求できます。既に完済している場合であれば、計算した過払い金がそのまま返還請求できます。
たまに誤解されることがありますが、違法金利の利息(例:29.2%)と利息制限法の合法金利(例:18%)の金利差をとって払い過ぎた利息分を計算するわけではありません。利息制限法の法定金利18%で支払った場合の計算書と、実際に業者に支払った弁済金額とを比較するだけです。
つまり、業者からいくらの金利で借入を行っていたかはわかっていなくても、実際に支払った弁済額さえわかっていれば過払い金は計算できます。25.2%、29.2%、など複数の金利で借入を行っていても関係ありません。利息引き直し計算の際にするべきことは、取引履歴書に基づいて淡々と自分の借入額と弁済額、日付けを入力することだけです。
この過払い金計算をおこなうにあたっては、過去の支払い明細や取引履歴書が必要になってきます。取引履歴書とは、○月○日にいくら借入を行って、○月○日にいくら返済をおこなったのか、ということを正確に記した明細書のことで、裁判をする場合には証拠書類ともなる重要な書類です。
過払い金返計算をするには、この取引履歴書に基づき数字を記入していくため、取引履歴書は必須になります。もっとも貸金業者には債務者に応じられればこの取引履歴書を開示する義務がありますので、取引履歴の開示請求はそれほど難しくはありません。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
過払い金の定番の計算ソフトにはどのようなものがあるの?!
過払い金の計算ソフトには、いくつかの定番ソフトがあります。例えば、名古屋式とよばれる名古屋消費者信用問題研究会が配布するソフトや、外山式と呼ばれる外山敦之事務所(司法書士法人)が配布するソフトなどが業界では有名です。
まずは過払い金の金額を、超ざっくりと把握したい方のために過払い金チェックソフトを紹介します。これらはWEBツールですが、いずれも借入金や利率、契約期間等の入力だけで簡単におおよその過払い金額を計算できます。
ただし注意が必要なのは、以下では正確な過払い金を把握することはできません。あくまで目安・参考としてざっくりと金額を把握できるだけです。「まずは自分に過払い金が発生しているか知りたい」というレベルの方におすすめです。
もう少し正確に取引履歴書とエクセルを使って利息の引き直し計算を行いたい、という場合には以下の計算ソフトなどが有名です。
冒頭でも簡単に紹介した「外山式」や「名古屋式」といった過払い金の計算ソフトを紹介します。これらのソフトと取引履歴書があれば、初心者や素人でもある程度の正確な過払い金の金額を計算することができます。
名古屋式といわれる名古屋消費者信用問題研究会が無料配布する過払い金計算シート。こちらもExcelが必要ですが、取引履歴書に従って淡々と弁済額と借入額を入力するだけで、正確な過払い金を算定できます。
他にも以前紹介したこちらの記事「利息制限法に基づく引き直し計算用のフリーソフト」でもいくつかお勧めの利息引き直し計算ソフトを紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
また「名古屋式」を使った実際の過払い金の計算方法はこちらの記事でも詳しく解説しています。もしご自身で名古屋式での過払い金計算をされる場合には参考になるかと思います。
最近では法律相談事務所や弁護士事務所でも、利息の引き直し計算・過払い計算だけは無料でやってくれるところが増えてきています。
過払い金を概算で計算して、その後、実際に過払い金返還請求をすることが明らかになったら、着手金・成功報酬金などを後から支払う、という契約の事務所も増えてきているので、専門家に頼んで過払い金計算をやってもらうのもいいかもしれません。
もし過払い金が発生していなくても、任意整理で月々の借金の返済額を減らすことは可能です。過払い金がないか知りたい方、任意整理で借金がいくら減るか知りたい方は、「アヴァンス法務事務所」に無料で初回相談してみましょう。銀行カードなど金利が18%以下の方でも、任意整理なら相談できます。