アコムの過払い金請求の期間と回収率の目安について
アコムといえば、消費者金融の全盛期であった2000年前半にかけて最も勢いのあった消費者金融の1つです。2004年当時の融資残高ランキングでは、貸付総額は1兆6000億円にも上り、その額は武富士よりも大きかったため、アコムでの過払い金が発生している債務者も多かったはずです。
昔アコムで借金をしていて過払い金の請求が出来ないかを検討しているんだけど、何年前に借りた人ならアコムでの過払い金発生の可能性があるのかなー?!
順位 | 消費者金融 | 貸付残高 |
---|---|---|
1位 | アコム | 1,612 |
2位 | 武富士 | 1,578 |
3位 | アイフル | 1,451 |
4位 | プロミス | 1,352 |
※営業貸付残高の単位は(十億円)です。出典:日本金融新聞2004年6月
当時のアコムは~27.375%というグレーゾーン金利(利息制限法違反の無効金利)で貸付を行っていましたので、貸付総額が大きいということは、それだけ過払い金が発生している可能性のある債務者が多い、ということになります。
アコムで過払い金請求をするときのポイントは?!
アコムは前述のように銀行大手の三菱フィナンシャルグループが36.88%の株を保有する銀行系列の消費者金融です。そのため、経営状態も安定しており、現在でも第一線で貸付を行っている大手消費者金融であるため、過払い金返還原資に問題もなく、そこそこ納得できる過払い金の回収が見込める可能性があります。
アコムの過払い金が発生している可能性があるのは、2007年の貸金業法の改正を受けて行われた金利改定より前からアコムと取引のある方に限られます。
金利の引き下げ時期 | 改正前金利 | 改定後の金利(当時) | |
---|---|---|---|
アコム | 2007年6月18日以降 | ~27.375% | 12%~18% |
そのため、ここ数年でアコムと新規で取引を行った方は、まずアコムに過払い金が発生している可能性はありません。対象となるのは、2007年6月18日より前からアコムと取引がある方で、かつまだ時効が成立していない方に限定されます(関連記事:「過払い金の消滅時効」)
これはもちろん、弁護士事務所の実績や力量にもよりますが、和解交渉としては80~90%での回収率が見込める可能性が高そうです。大手銀行系だけあって対応も比較的、好意的であることも多く、業績や資金状況にも問題はありません。
ただし消費者金融としては業績の都合上、「できるだけ実際の支払い日を先送りにしたい」という思惑があり、これはアコムも同じです。そのため実際の入金日までの期間を長くする条件で交渉すれば90%以上、スピード重視で少しでも早く入金して貰いたい場合は80%での和解交渉を進めるケースも多いようです。
アコムは現在でも、プロミス(SMBCコンシューマファイナンス)に次いで2位の営業貸付残高を誇る、業界トップレベルの消費者金融です。テレビでも永作博美さんを起用したラグビーのCMシリーズを展開するなど、広告投資にも積極的です。
直近の平成26年の第37期有価証券報告書のデータでは、減益はしているものの3期連続で黒字化して100億円以上の当期純利益も出ているため、経営状態は好調とは言えないものの、問題はないと言えるでしょう。
アコム決算 | 平成24年3月 | 平成25年3月 | 平成26年3月 |
---|---|---|---|
営業収益 | 210,456 | 193,028 | 202,240 |
当期純利益 | 21,464 | 20,839 | 10,632 |
キャッシュ保有 | 193,441 | 208,969 | 151,711 |
※単位は(百万円)です
また過払い金の支払い原資でもある「利息返還損失引当金」ですが、平成26年期末の3月31日時点で1241億円が計上されています。昨年の1年間でアコムが過払い金として支払った金額が、おそらく総額で269億円(営業キャッシュフロー減少による)のため、当面の過払い金の支払いには問題がないはずです。
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