借金の取り立てで勤務先(職場)への訪問や電話は違法?
借金の取り立てで勤務先に直接、消費者金融やサラ金業者の社員が取り立てに来ることはあるのでしょうか? 結論からいうと勤務先に来ることはおろか、正当な理由なく勤務先に取り立ての電話をかけることさえも貸金業法の違反となります。また職場に直接取り立てに来たり、催促の電話をかけたりすることで業務を妨害した場合には、業務妨害罪(刑法232条)にあたります。また会社に訪問してきた場合に、帰るように要求しても応じなかった場合には、不退法罪(刑法130条)が適用されます。
たしか借金の取り立てのために勤務先に訪問したり電話して催促するのは違法なんだよねーっ?!
以前にもこちらの「借金の違法な取り立てや催促の電話やメールとは?」の記事でも説明しましたが、貸金業法21条(法令データ提供システム)では取り立て行為の規制を定めています。
その貸金業法21条の3項では、以下のように定められています。
正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問すること。
つまり正当な理由なく、貸金業者やサラ金業者は、勤務先に電話をかけたり、訪問したり、ファックスを送って借金の催促をおこなうことは法律で禁止されているのです。
もし正当な理由なく、サラ金業者などから勤務先に訪問、あるいは電話での催促が来た場合、どう対応したらいいのでしょうか? 1つは監督官庁(金融庁など)に苦情の申立て、あるいは行政処分の申立てをおこなう方法があります。
さらに強硬で悪質な取り立てのケースの場合には、刑事告訴を検討することもできます。この場合には、貸金業法の取り立て規制違反の容疑で刑事告訴をすることになります。
「正当な理由なく」ということは、正当な理由があれば問題ない、という解釈にもなります。例えば正当な理由として、どうしても債務者に連絡がつかないケース、などが考えられます。貸金契約時に記載した自宅電話番号や携帯電話などにどうしても繋がらない、メールや郵便物に対しても反応、アクションがない、といった場合には、貸金業者としても勤務先への連絡がやむを得なくなってしまいます。