過払い金の請求書の書き方と内容証明郵便の送り方
過払い金を請求するためには、請求書をまず記載する必要がありますが、この過払い金の請求書は自分でも記載することが可能です。その後の交渉まで考えると弁護士や司法書士に依頼する方がお勧めですが、「自分でやりたい」という方のために、この記事では自分で過払い金請求書を作成する方法を紹介します。
過払い金の請求書ってどうやって記載するの?!
過払い金を請求するためには、書面で請求の意思がある必要を通知する必要があります。なので基本的には書類で通知をおこないます。かつ後から言った言わないの話にならないように内容証明郵便という方法で送付する必要があります。これについては後述します。
まずは過払い金を請求したい貸金業者に対して、取引履歴の開示請求をおこないます。いつから幾ら借金を借りていて、いつまでに幾ら返していたのかを明確にするためです。これはもし訴訟をする際には証拠書類になりますので確実に開示が必要です。以下は取引履歴書の見本サンプルです。
実際には各キャッシング会社等で履歴書の明細は異なりますが、どの金利でいつ幾らの金額を借入て、また幾ら返済したか、そのうち幾らが金利に充当されたか、がわかります。その明細書をもとに引き直し計算をおこない、過払い金の金額を計算・確定します。
正直、過払い金の金額計算等が一番初心者にはハードルの高いところなので、弁護士や司法書士等の専門家に依頼することも多いです。一応、自分で計算したい場合にはフリーで公開されているエクセルの計算シート等を利用することになります(名古屋式や外山式があります)。
- 外山式(司法書士外山事務所)利息計算ソフト
http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se432123.html - 名古屋式(名古屋消費者信用問題研究会)利息計算ソフト
http://www.kabarai.net/index.html
なお利息引き直し計算で過払い金の額を算定する方法は別記事でも詳しく解説します。
過払い金返還請求の通知書は、各フォーマットなどがネット上でも公開されているのでそれに従って記載するのが良いと思います。ここでは名古屋消費者信用問題研究会のフォーマットを紹介します。こちらからダウンロードしてください。
ただ書き方自体はそれほど細かく厳密な決まり事があるわけではありません。何年頃から何年間にかけて取引があったか、利息引き直し計算の結果、いくらの過払い金が発生していたか、いつ(期限)までに口座に振り込んで欲しいか、請求に応じない場合は民事訴訟を検討する旨、などが記載されていれば大丈夫です。以下が例のフォーマットです。
記載ができたらこちらを内容証明郵便で送付します。
郵便局で内容証明郵便を出す方法
内容証明郵便を出す方法には、郵便局の窓口で提出する方法とインターネットの電子(e)内容証明郵便で出す方法があります。ここでは郵便局の窓口で内容証明郵便を出す方法を紹介します。
内容証明郵便は、どのような形式の書面でもいいわけではありません。内容証明郵便として郵便局に受理されるためには、書面に一定のルールがあります。以下、内容証明郵便の記載方法として主なルールを記述します。
記載方法 | 規定の有無 | 詳細 |
---|---|---|
文字数制限 | あり | 「1行20文字以内、1枚26行以内」または「1行26字以内、1枚20行以内」、「1行13文字、1枚40行以内」(横書きの場合) |
使用できる文字 | あり | 平仮名、カタカナ、漢字、数字、句読点、記号。英字は氏名または会社名、商標でのみ利用可能。句読点も1個1文字。 |
枚数について | なし | 内容証明郵便に枚数の規定はなく、何枚でも作成することが可能です。複数枚になる場合にはホッチキスで閉じ、閉じ箇所に印鑑を押します。 |
筆記用具 | なし | 筆記用具についての制限はありません。手書きでも大丈夫ですし、パソコンの印刷でも問題ありません。 |
同封便数 | 3通 | 同じものを3通提出します。1通は相手方に送付され、1通は郵便局内に謄本として保管されます。また1通は返却されます。 |
上記のルールに則って記載したものを郵便局に持参します。ただし、内容証明郵便はどの郵便局からでも出せるわけではありません。内容証明郵便を扱っているかどうかは、郵便局のホームページで確認が可能なので、事前に確認してから持参しましょう。
内容証明郵便を送るためには、以下の準備が必要になります。
- 内容証明郵便の文書3通
- 封筒(形式、大きさ自由)
- 内容証明料(430円)と書留料(430円)
- 書面が2枚以上の場合、追加で1枚260円
またその他オプションとして、配達証明が必要な場合には310円(差出後に付ける場合は430円)で可能です。詳しくは郵便局の公式ページで料金の詳細を確認してみてください。
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