異動情報って何?

債務整理をしたときに、信用情報機関に異動情報が登録される、というのをよく聞きます。この異動情報というのはどういうものなのでしょうか。

ねーえっ!先生ーっ!
異動情報ってブラックリスト登録とはまた違うのーっ?!異動情報について知りたーいっ!
そうだね、信用情報機関にネガティブ情報が登録される、という意味ではブラックリスト登録と同じだね。ただブラックリスト登録は、正しい金融用語ではなくいわゆる”通称”で、実際には事故情報や異動情報という言葉が正確なんだね。
ふーんっ、そうなんだねーっ!

 
ポイント1 異動情報とは信用情報機関に登録されるネガティブ情報のこと
ポイント2 異動情報には延滞、代位弁済、貸倒れ、債務整理などが記載される





異動情報とは

異動情報は、クレジットカードやローン、キャッシング、信販会社や保証会社への支払い、その他、などの借金の返済情報に遅延など何かしらのマイナスな事故があり、その人の信用情報に傷がついた場合に、金融機関同士で個人情報を交換するネットワーク「信用情報機関」にその情報が登録されることをいいます。

事故情報といわれるものと同義の金融機関の用語です。信用情報機関に登録される異動情報(事故情報)には以下のようなものがあります。

 

異動 内容
延滞・遅延 約定返済日から期間が過ぎても入金されない場合
債務整理 任意整理・個人再生・自己破産・特定調停など、借金の返済が不能に陥った場合と、過払い金を請求した場合
代位弁済 本人が返済不能に陥って保証契約に基づき、代わりに保証会社や連帯保証人から返済を受けた場合
強制解約 本人に返済能力が認められず信用が毀損してカードの強制解約を受けた場合

 
実際に登録される情報は各信用情報機関によっても異なります。例えばクレジットカード会社が多く加盟する信用情報機関CIC(株式会社シー・アイ・シー)では、以下のようなケースに異動情報が登録されます。CICの場合は直接的に、債務整理をした情報が異動情報として登録されるルールはありませんが、代わりに延滞として異動が登録されますので、やはり債務整理をすると、今後の与信判定に影響を与えます。

 

CICで異動情報が登録されるケース
約定返済日61日以上または3カ月以上の支払いの延滞
原契約が期限の利益を喪失した場合の保証契約の履行(※)
裁判所の破産の宣告

※つまり指定の期日に借金の返済がされなかったことで、保証会社などによる代位弁済を受けた場合のこと

 
異動が登録されているCICの照会例

信用情報機関に自分の情報を開示請求する方法の記事でも解説していますが、各信用情報機関に登録されている情報は個人が自分自身でも開示請求することができます。

CICで情報を開示すると、自分個人がブラックリスト登録(異動情報の登録)がされているかがわかります。開示の画面は以下のようなものになりますが、この「返済状況」の項目に「異動」と記載されていれば、ブラックリストに登録されていることになります。この場合、住宅ローンや新規クレジットカードの作成、新たなキャッシング借入、奨学金などの借金の保証人になること、などが難しくなります。

 
cic

 
異動が登録される期間について

異動情報が登録される期間についても各信用情報機関ごとに異なります。例えば、クレジットカード関連会社で加盟の多い上記CICの場合、異動情報の登録は「契約期間中および取引終了後5年間」と規定されています。(平成26年9月現在)

CICに登録される異動情報は(延滞・保証履行・破産)の3つと非常にシンプルですが、これらが更新されているあいだは異動情報もずっと更新され続けます。延滞が解消したり、あるいは破産宣告や契約解消で取引が終了した場合、その時点から5年間で異動の情報が削除されます。

 

ふーん、なるほどねーっ!
異動情報についてちょっと正確にわかった気がするーっ!
今回は主に信用情報機関の1つであるCICを例に説明したけど、JICCや全国銀行個人信用情報センターの場合は、異動が登録される条件や異動情報の保持期間が変わってくるから注意が必要だね。




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