携帯料金の未納を放置すると法律事務所から請求が来る?

携帯電話の利用料金を滞納したまま強制解約になってしまい、その後も未払いのまま放置していると、ある日突然、法律事務所から「受任通知兼請求書」が送られてくることがあります。ソフトバンク、ドコモ、AU、いずれの大手携帯会社も法律事務所に債権回収を委託していますので、その後は法律事務所と分割返済の話し合いをすることになります。

携帯電話の未払いを放置するとどうなる?
ねえねえ、先生ー!
携帯電話の利用料金の未払いで、強制解約後もそのままずっと放置していると、法律事務所から請求書が送られてきたり、催告の電話が掛かってくるって聞いたんだけど・・・本当なの?
そうだね、大手の携帯会社は不良債権の債権回収を法律事務所に委託しているケースが多いからね。金融機関からの借金の場合、保証会社や サービサー※ に譲渡して処分することが多いんだけど、携帯代はそれが難しいから法律事務所に債権回収をお願いしてるんだね。
そうなんだ・・・。でもいきなり知らない法律事務所から電話が掛かってきたり、「法的措置を取ります」とか通知が来たら、やっぱりビックリするよね。どうしても一括で支払えない場合は分割払いに応じて貰えたりするの?
もちろん一括で支払うのが本当に無理ならどうしようもないから、分割払いに応じて貰えるケースは多いよ。ただし「月々×万円以上は~」「分割は×回払いまで~」といった厳しめの条件が付くことはあるみたいだけど。あとフツ-は減額はできないね。
まあ減額できないのは仕方ないよね。
ところで、いきなり知らない法律事務所から請求書が届いたり、知らない番号から連絡が来ると、架空請求なんじゃないかって心配になる人もいると思うんだけど、その辺は大丈夫なのかなー?
うーん、難しいけど、未払料金に身に覚えがあるなら、まず正規の請求だと考えて問題ないでしょ。債権回収をおこなう法律事務所だと、電話回線をたくさん持ってるから知らない番号から掛かることもあるよ。もし不安ならこっち側から代表番号にかけ直せばいい。
  • 携帯会社は、未払いになった債権の回収を法律事務所に委託することが多い
  • 携帯の未払い料金は非特定金銭債権なので、サービサーには譲渡されない
  • 法律事務所と分割払いの相談は可能。ただし回数や返済金額の条件は厳しめ
  • 法律事務所は債権回収の委託を受けているだけなので、原則、減額は無理
  • 未払いがずっと続けば、通常訴訟や支払督促といった裁判沙汰になる場合も
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携帯料金の未払いは、法律事務所に債権回収が委託される

まず前提として、これからする話は「携帯料金が未払いのまま強制解約になった後も、支払わずに放置していた場合」です。まだ強制解約になっていない段階で、法律事務所から請求や督促が来ることは通常ありません。

通常、携帯電話は1カ月支払いを滞った段階で「利用停止」になり、その後さらに1~2カ月滞納を続けると「強制解約」になります。(ただし、この辺りは携帯キャリアによっても異なります。)

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携帯が強制解約になってしまうと、もう支払いがバカらしくなって(優先順位が下がって)しまって未納料金をそのまま放置してしまう方がいますが、そのまま放置していると法律事務所から、いきなり請求書が届いたり電話が掛かってくることがあります。

なぜ法律事務所からいきなり支払請求が来るの?

法律事務所から電話が掛かってきたり、ハガキなどで支払いの催告書や法的措置の予告書などが届くと、やはり驚かれる方も多いです。平穏な日常生活を送っている方からすると、やっぱり少しギョッとしますよね。

携帯料金の滞納で、法律事務所から請求が!-図

たしかに「滞納の次にいきなり法律事務所から連絡が来る」というのは、他の借金(キャッシング、ローン、公共料金など)ではあまりないことかもしれません。

借金の場合、保証会社が付いていれば、まず保証会社が 代位弁済 をした後、債務者に肩代わりして支払った分を請求(求償)します。それでも支払われなければ、債権回収会社(サービサー)に債権譲渡されることが多いです。

銀行ローン等の場合

しかし携帯料金の場合は、保証会社という仕組みもありませんし、法律上の仕組みとして、債権回収会社への回収委託や債権譲渡ができません。正確にいうと「できない」わけではありませんが、集金代行までしかできず、訴訟等による取立てが制限されている、ということです。

「債権回収会社」と「法律事務所」の棲み分けを解説(※クリックタップで開閉)

そのため、携帯料金に未払いがある場合は、各社とも法律事務所に債権回収を委託するのが、当たり前になっています。

携帯会社の場合は法律事務所に委託

例えば、ドコモやAUであれば子浩法律事務所さんが有名ですし、ソフトバンクであれば鈴木康之法律事務所さんが有名ですね。どちらもケータイ利用料金などの少額債権の回収代行をする法律事務所としては有名なところです。

携帯料金以外でいえば、クレジットカードの未払いや、ニコニコ、ヤフーなどのネットサービスの未払金の回収にも、法律事務所さんが出てくることはありますね。そもそも、この手の 不良債権 の回収の仕事は、サービサーが法律で認可される前までは、弁護士の専売特許の仕事でしたのでそれほど不思議なことではありません。

架空請求の心配はない?本当に支払って大丈夫なの?

携帯会社以外からの請求通知を受け取ったり、電話の着信履歴があると、つい「架空請求じゃないの?」と疑って無視してしまう方も多いですが、基本的に「料金未払いについて身に覚えがある」のであれば、本物の法律事務所である可能性が高いです。

債権回収の委託を主な仕事としている法律事務所は、電話番号の回線を複数持っていることが多く、ハガキに記載されている番号、弁護士会に登録されている代表番号とは違う電話番号から掛かってくることも珍しくありません。

参考リンク
日本弁護士連合会「弁護士情報検索サービス ひまわりサーチ」

 
また圧着式のハガキで支払請求や督促が来ることも多いようです。なので「電話番号が違うから怪しい」「弁護士事務所なら内容証明郵便で送ってくるはず」と決めつけて無視するのは得策ではありません。

ハガキや違う電話番号による通知もあり得る

一番安全なのは、こちらから代表番号(ハガキやメールに記載の電話番号ではなく、正規登録のある各事務所ホームページの電話番号)に折り返して電話して、「電話をしたかどうか?債務内容は何か?」を確認することです。この方法であれば、万が一、架空請求であればすぐにわかります。

また支払いの行き違いの可能性がある場合、身に覚えがなく不安な場合は、ドコモやソフトバンクなどの携帯会社側に問い合わせてみてもいいかもしれません。

減額や分割での支払いに応じて貰える可能性はあるの?

債権回収の委託は、債権譲渡とは違いますので、基本的に減額の交渉はできません。

債権譲渡の場合は、サービサーがほとんど回収の見込みのなくなった不良債権を「捨て値」同然で買い取りますので、和解交渉によって請求額を減額できるケースもあります。

しかし債権回収委託の場合は、あくまで携帯会社(ドコモ、ソフトバンクなど)がまだ債権者であり、その回収を法律事務所にお願いしているだけですから、法律事務所が自身の判断で減額に応じるということは基本的にありえません。

原則、減額はできないが、分割払いはできる

一方、「分割支払い」での話し合いや交渉には応じて貰えることが多いです。ただし「最低でも月×万円は支払ってください」「3~4回払いまでしかできません」といった厳しめの条件を提示されることも多いようです。

もちろん「一括で支払ってください」と言われてしまう可能性もありますが、実際、一括で払いたくても払えない場合はどうしようもありません。他にも借金がありどうしても支払えない場合は、債務整理などを検討してみてください。(⇒ 債務整理の無料診断

未払いの放置が続くと裁判になったり差押えになる?

そのまま未払いの放置が続いていると、裁判沙汰になる可能性はあります。全体から見れば割合は少ないかもしれませんが、特にドコモ、ソフトバンクなどの未払い金をそのまま放置していると、実際に裁判を提起されるケースはあります。

携帯料金の未払いが理由で裁判になることも-図

携帯料金の未払いの場合は、「支払督促」または「通常訴訟」の手続きが簡易裁判所に申し立てられるケースが多いです。もしこれらの裁判手続きが取られた場合にどうするか?については以下の記事にまとめましたので参考にしてください。

参考記事
携帯料金の未払いで簡易裁判所に訴訟や差押えがされる場合

 
いずれにしても、「たかが携帯料金の未払いで、裁判や差押えなんてないだろう」と甘く見ていると痛い目にあう可能性があります。裁判で判決が出てしまった場合、勤務先を知られていれば給与差押えになりますし、ドコモなど一部携帯会社では動産執行がされることもあります。

また携帯料金の未払いが残ったままだと、TCAネットワーク(携帯電話会社間の情報交換ネットワーク)にブラック登録されてしまうので、他社キャリアとも新規契約が難しくなります。

自己破産でもしない限りは、いずれは支払わなければならないものなので、できれば早い段階でしっかり支払っておきましょう(参考:「自己破産後の携帯電話の新規契約」)

既に5年以上が経過していれば消滅時効の可能性がある?

強制解約になったり、最後に料金を支払ったときから既に5年以上が経過している場合は、未払い料金は「時効」になっている可能性もあります。もし既に5年以上が経過していて消滅時効にかかっている場合は、料金を支払う必要はありません。

最終取引から5年が経過していれば時効

この場合は、「消滅時効の援用」という手続きが必要になります。時効というのは、「5年が経過した」というだけで成立するものではなく、「時効による債務消滅の利益を受けます!」ということを債務者が宣言して相手方に通知しないと法的効力がないからです。

消滅時効についてはまた長くなるので別記事にまとめます。

参考記事
過去の借入金や携帯未払い料金の消滅時効の援用について(準備中)

 
基本的には、「確実に5年以上経過していること」が一番重要です。5年が経過する前に、先ほどの「支払督促」や「通常訴訟」などの裁判手続きを受けてしまうと、消滅時効は中断してしまいます。つまり、最初から数え直しです。

単に「請求書」「支払催告書」などで請求を受けていただけであれば、消滅時効は中断しませんが、5年の間に一度でも未払料金の一部の支払いを行っていたり、あるいは電話口で「支払う」という約束をするなど債務承認をしていれば、時効は成立しません。

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