福祉協議会の緊急小口資金なら任意整理後でも借入できる?

任意整理後の5年間は、金融機関のブラックリストに登録されるため原則として新たな借入は困難です(過去の参考記事)。また経済的な再建を図るという趣旨からしても任意整理後に、すぐに新たな借入をするというのはやはり好ましくありません。

でも万が一、病気や事故で緊急のお金が必要になったら?!

しかし、万が一病気になってしまったり、事故での賠償金が必要になってしまったり、など突発的なアクシデントにより緊急の融資が必要になった場合に、誰も本当にお金を貸してくれないのであれば困ったことになる可能性もあります。そこで民間企業のかわりに、公的な資金を貸し付ける機関があります。それが社会福祉協議会です。

任意整理後でも”緊急小口資金”なら借入ができる?!

誤解のないようにまずお断りしておきたいのですが、社会福祉協議会の緊急小口資金融資にも審査はあります。 決して無条件で借りられる甘い話ではありませんし、また使用用途が明確でなければお金を借りることはできません。

そもそも社会福祉協議会とは?

社会福祉協議会とはあまり聞き馴染みのない方も多いかもしれませんが、民間の社会福祉活動の邁進のために行政主導で作られた非営利組織です(いまは民間団体)。社会福祉事業法に基づき、各都道府県・市町村単位に存在しています。

社会福祉協議会
全国社会福祉協議会を中心とし、以下に都道府県社会福祉協議会、市区町村社会福祉協議会など61法人の団体を抱える民間で非営利の福祉団体です。主な活動としては、ボランティア活動の支援・推進、障害者や高齢者の保護活動、ホームヘルパーや介護サービス支援、小中高校での福祉教育の邁進、生活福祉資金の融資活動などを行っています。

 

福祉協議会の”緊急小口資金”融資について

この社会福祉協議会では「緊急小口資金融資」という制度をおこなっています。これは、緊急かつ一時的にお金に困窮した世帯を支援することを目的とした制度で、非営利の福祉目的の貸付金のため利子もつきません。

WS03495

参考:東京都福祉保健局(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/seikatsu/

 
所得や収入の少ない世帯でも、社会福祉協議会に相談することで緊急かつ一時的に資金に困窮している場合に限り融資を受けることができます。上記は東京都福祉保健局の例ですが、その他、全国都道府県(住んでいる地域の社会福祉協議会)でも融資を受けることができます。

緊急小口資金の融資条件

前述のように社会福祉協議会の緊急小口資金の融資は、無条件で借りられるわけではありません。任意整理をしていても申請は可能ですが、その他に以下のような条件が必要になります。

  • 個人ではなく世帯全体の収入や就労状況などを確認
  • 自立支援になると判断された場合のみ貸付対象となる
  • 税金を原資とする公的な貸付制度なため、使用用途が制限される
  • 一定の基準以下の低所得世帯のみが対象
  • あくまで緊急かつ一時的な生活維持のための資金である
  • 返済の目途がたっている、返済可能であること

 
どうでしょうか? 社会福祉協議会の緊急小口資金の融資目的は大枠で上記のようなものになります。 融資を受ける目的や趣旨が上記から大きく外れている場合には、緊急小口資金の融資を受けるのは難しいでしょう。

では以下さらに細かい条件をチェックしていきます。まず基準となる世帯年収についてです。

人数別の世帯年収の基準

緊急小口資金は、以下の基準の年収の世帯のみ申請が可能です。

世帯の構成人数 1人 2人 3人 4人 5人
可処分所得額 182,000円 269,000円 328,000円 387,000円 424,000円

※可処分所得額は、月額の世帯収入から家賃や住宅ローンの返済等の一定金額が控除された金額です。

“緊急小口資金”は、使用用途がかなり制限される?!

社会福祉協議会から融資される緊急小口資金は、その用途についてかなり限定的な規定が設けられています。具体的には、以下のいずれかにあたる場合にしか融資を受けることができません。

  • 医療費または介護費などの臨時生活費
  • 給与の盗難や紛失による生活費(上限5万円)
  • 火災や災害等の被災による臨時生活費
  • 年金、保険、公的給付金の受給までの一時繋ぎ
  • 会社からの解雇、滞納税金や保険料等の一時的な支出増加
  • 事故等で損害を受けた場合の支出増加

 
また金額についても融資上限は10万円と定められています。キャッシングや消費者金融などの借入に慣れている方は、金額がやや少ないと感じるかもしれませんが、一時的な生活難を乗り切るという趣旨の制度なので10万円以上の融資を受けることはできません。

制度の名前が「小口資金」となっているのも、文字通り本当に小口資金の貸付のみを受け付けているからでしょう。

緊急小口資金の貸付条件

社会福祉協議会の緊急小口資金ですが、貸付条件は以下のようになっています。非営利組織の福祉資金なので、利息が付かない(無利子)点は大変ありがたいところです。また返済期間も8カ月以内なので、月額1~2万円の範囲の返済で償還できます。

項目 内容 補足
貸付の上限金額 10万円 ※申請理由次第で上限5万円
貸付利息 無利子 返済期限後は年利10.75%
返済期間 8カ月以内 なし
連帯保証人 不要 なし
返済方法 月賦返済 毎月払いによる口座引落し

 
なお、繰り返しになりますがあくまで上記は東京福祉協議会での小口資金融資の例です。他の自治体や都道府県の福祉協議会の制度については、別途、最寄りの福祉協議会のホームページなどをご確認ください。

緊急小口資金は、すぐに借りられるわけではない!

残念ながら緊急小口資金は申請してすぐに借りられるわけではなく、最短でも申込から5営業日(土日を除く)はかかります。”緊急”という名前が付いているのに、ちっとも緊急ではないじゃないか!というツッコミを入れたい気分になるかもしれませんが、公的な福祉制度なのでそんなものでしょう。

民間のキャッシング業者のように即日融資、というわけにはいきませんので、ある程度、事前に資金難に陥っていることがわかる場合や、お金を受け取るまでに猶予があっても大丈夫な状況でないとあまり意味がないかもしれません。

任意整理後の小口資金の調達にはおすすめ

任意整理後の5年間は、債務整理の履歴(金融事故)が個人信用情報機関に登録されてしまいますので、いずれにしても民間の金融機関からお金を借りることはできません。登録は5年間で抹消されますが、ブラックリストに登録されている間はどこのキャッシング会社もお金を貸してくれないでしょう。

そういう場面では、社会福祉協議会のような非営利団体の融資制度を利用してお金を借りる、というのはアリです。もちろん、病気や事故などの一時的かつやむを得ない事情に限るべきですが、どうしても任意整理後にお金に困った方はご検討されてもいいかと思います。

 

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