任意売却後の残債の支払いは免除される?

任意売却後も、住宅の売却価格よりも住宅ローンの残債務の方が多い場合には、債務が残ってしまうことがあります。これが残債です。ネット上では稀に、この残債が交渉によって免除されるというような意見を目にすることがありますが、実際には何の見返りもなく残債務を免除してくれる債権者はまずありません。

任意売却後の残債の支払いはどうなるの?
ねえねえっ、先生ーっ!
任意売却後にまだ残債がある場合には、その残責の支払いはどうなるのかなーっ?!
任意売却後の債権は、いわゆる無担保債権になってしまう。そういう債権は、不良債権としてサービサーと呼ばれる債権回収業者に売却されることが多いね。
だから、任意売却後の残債務はそういった債権回収業者に支払い義務が残ることになるんだ。
ふーんっ、たまにネットとかで、交渉次第では住宅ローン売却後の債務は免除されるって聞いたことがあるんだけど、免除されることはあまりないのかなーっ?
免除というのはまずないだろうね。
債権者も仕事だから1円でも多く回収したいはずだ。ただし、不良債権は通常、元の債権額よりもかなり安い金額で買い取っているはずだから、交渉により減額や低負担での分割返済に応じてくれるケースはあるよ。

 
任意売却後にローン債務が残ってしまった場合には、既に住宅の抵当権も外れます(売却相手の所有物となる)ので無担保債権となります。この残債は通常、銀行や保証会社から債権回収業者に売却されます。

任意売却後の残債は交渉で減額できます

最初の貸主である銀行は、住宅ローンが破綻してしまった段階で、保証会社からローン全額の代位弁済を受けて、ローン債務をすべて保証会社に譲渡してしまいます。
また同様に保証会社も、住宅を競売や任意売却で処分して一部の求償を得た後、残りの債務については不良債権としてサービサーに売却します。

サービサー
サービサー(債権回収会社)とは、法務省に認可を受けた、金融債権の回収を代行することのできる業者のことです。債権の回収に暴力団などが介入することを防ぐため、弁護士法の特例として認可制でのみ、債権代行を許可された民間業者のことを指します。

 
保証会社はそもそも既に、住宅ローンのなかにあらかじめ組み込まれた「保証料」と、住宅の売却による回収で元が取れているので、残債の回収についてはあまり期待せずに、債権額の2~5%という破格の安さでサービサーに売却することが多いのです。

 

サービサーとの交渉で残債が減額される可能性も

サービサーは保証会社から、債権額元本よりも遥かに安い価格で債権を買い取っていますので、理屈でいえば全額を返済して貰わなくても利益がでる計算になります。
またそもそも回収の確率の低い無担保の不良債権ですので、返済額について過度な期待をしていない、ということもあります。

そのため、弁護士等を通じて交渉すれば、残債よりも安い金額で債権を一括払いで買い戻すか、あまり生活負担のない低い金額での分割返済に応じて貰える可能性も十分にあります。

とはいえ、建前上は債権の全額回収が目標ですから、いきなり「数パーセントの価格で買い戻したい」といってもまず相手にされません。その辺りは弁護士や専門家と相談の上、対応を考えるべきです。




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