なぜクレジットカードのショッピングは過払い金請求できない?

前回の記事でも解説したように、クレジットカードの機能には「ショッピング」と「キャッシング」の2つの機能があります。キャッシングは利息制限法を超える利率が設定されていた場合、過払い金請求の対象となりますが、ショッピングは過払い金請求をすることができません。

カードのショッピングが過払い金請求できない理由
ねえねえ、先生ー!
前回もクレジットカードのショッピングは立替金だから、過払い金請求の対象にはならないっていう話を聞いたんだけど、もう少し詳しく知りたいなー。
そうだね、カード利用者からすると、買い物でクレジットカードを使っても、ATMからカードで現金を降ろしても、どちらも翌月に口座から引き落とされるわけだから同じと考えてしまいがちだけど、ショッピングは借金ではなく、単に信販会社が買い物代金を一時的に立て替えているだけにすぎないんだ。
なるほどー。厳密には借金じゃないから、利息制限法の適用外っていうことなんだねー。 でも、ショッピングの決済で取られる手数料は利息にはならないのかなー? ショッピングでもリボ払いや3回以上の分割払いで購入すると、その都度、手数料が取られることになるよねー?!
なかなか鋭い疑問だね、ただ今のところはショッピングリボや分割払いは単なる割賦販売契約の立替金とされているから、利息性はないと判断される可能性が高いんだ。一括払いでも、分割やリボでも、ショッピングに関しては利息は付かず、あくまで手数料を支払っているだけになることが多い。

 
クレジットカードのショッピングリボは、毎月一定額を返済していれば限度額一杯まで買い物ができてしまう仕組みです。そのためブランド破産に代表されるように、ショッピングリボが原因で借金地獄に陥る方も稀にいます。しかし法律上の「利息」が徴収されていない以上は、利息制限法の対象とはなりません。

クレジットカードの分割手数料は利息ではない?!

まずクレジットカードで買い物をした場合、翌月一括払い(マンスリークリア)の場合は、そもそも手数料がかかりません。

クレジットカードで買い物の決済をすると、その商品代金をカード会社が一時的に立替払いし、これを翌月以降、カードを使用した本人の指定銀行口座から引き落とすわけですが、この際にいわゆる金利手数料がかかるのは、3回以上の分割払いまたはリボ払いだけです。

ショッピング手数料
クレジットカードのショッピングの手数料は、一般的に一括返済の場合には手数料が掛かりません。手数料が掛かるのは「割賦販売契約」にあたる場合、つまり商品代金を分割で支払うケースに限定されます。そのため、3回以上の分割払いや、2カ月を超えるボーナス払い、ショッピングリボ等の場合には手数料が掛かります。

 
つまりショッピングリボや分割払いによりクレジットカードで買い物をした場合には、カード会社に手数料を取られることになります。多くのカード会社は説明の便宜上、これを「金利手数料」といったり、「実質年率 ○%」ということが多いので、一般の借金の利息と混同されることも多いです。

しかしショッピング枠での買い物は、法律上の扱いは立替金であり、貸付金ではありません。それに付するマージンも、利息ではなく手数料の名目となりますので、利息制限法の対象にはなりません。

利息制限法の対象でなければ過払い金は発生しない

過払い金返還請求とはそもそも何か、というのを思い出していただきたいのですが、過払い金とは、利息制限法(貸金の法的な上限利息を15~20%と定めた法律)に違反した貸金契約に基づいて支払った利息を、不当利得返還請求権により取り戻すことができる、という債権です。

利息制限法の1条を読むと、はじめに「金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は・・・」という文面でスタートします。

つまり利息制限法は、金銭消費貸借契約(お金を直接、貸し付ける契約)について定めたものであり、クレジットカードのショッピングのような信用販売について定めたものではないのです。

そのため、利息制限法の対象とならない「立替金」については、例え数百万円単位でショッピング枠で買い物をしていようと、またそれをリボ払いで長い年月をかけて支払っていたとしても、過払い金の対象にはなりません。

ショッピングリボの年率が20%以上でもダメなの?!

現在ではショッピングリボも利息制限法の上限金利の範囲に合わせて設定するカード会社がほとんどですが、以前はクオークのショッピングリボなど、実質年率が20%を超えるような「リボ手数料」を取っているケースがありました。

キャッシングリボには利息制限法が適用されるのに、ショッピングリボ手数料には利息制限法が適用されない、ということに違和感を感じる方も多いかと思いますが、上記のように割賦販売契約による手数料は、貸金業法や利息制限法の適用外、というのが一般的な見解です。

クレジットカードのショッピングによる立替払いは、法律上は、「信用購入あっせん」というカテゴリーに分類されますが、これは「割賦販売法」という法律の管轄です。この割賦販売法では、手数料(金利)についての定めは特にありません。

現在のショッピングリボの手数料はどのくらい?

前述のように、クレジットカードのショッピングリボは割賦販売法の範囲で、貸金業法や利息制限法が適用されません。しかし2010年以降は、業界内でも手数料率についての自主規制がされています。その1つが日本クレジット協会の「包括信用購入あっせんに係る自主規制規則」です。

手数料の自主規制
日本クレジット協会の作成する「包括信用購入あっせんに係る自主規制規則」の第11条(包括信用購入あっせんの手数料の料率)では、クレジットカードの手数料率が出資法の上限金利(20%)を超えないよう努めるように、と定められています。

 
そういった業界の動向もあり、現在ではほとんどのカード事業者がショッピングの実質年率(リボ手数料率)においても年率20%を超えない範囲で設定されていることが多いです。

そもそもクレジットカードの性質上、キャッシングよりも金利手数料が高いなら誰も買い物でカードを使いません(それより現金を借りた方が得することになる)ので、元々キャッシングよりも低い利率が設定される傾向にあります。

そのため、キャッシングが規制された以上は、それに伴い、ショッピング手数料も下がるのは当然かもしれません。

現在のカード事業者のショッピングリボ実質年率

いくつか例を挙げると、例えば2015年現在のエポスカードのショッピングリボ手数料は実質年率15.0%、セゾンカードのショッピングリボ手数料は実質年率9.60%~14.52%、JCBカードは実質年率8.04%~18.00%となっています。

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