自己破産で免責不許可になる割合(確率)はどのくらい?

自己破産で免責不許可の決定が出る確率は、それほど高くはありません。最高裁判所の統計資料によると、平成21~平成23年までの免責不許可決定の割合は0.15%前後となっており、免責不許可決定が出る確率は全体の1%もないことがわかります。ただし中には裁判所から取り下げを指示される場合もあり、実質的な「免責許可が下りない割合」でいえば、2%程度と推測されます。

自己破産で免責不許可になる割合
ねえねえ、先生ー!
例えば、ギャンブルや浪費で借金を作った場合みたいに、自己破産の免責不許可事由(※)があるときでも、実際には裁判所の裁量で免責にして貰える場合が多いんだよねー?
※ 免責不許可事由については『 自己破産の免責不許可事由って何?免責が下りないケース』を参照してね。
そうだね。免責不許可事由の内容や程度にもよるけど…
一般的には、免責観察型(※)の管財事件になって、破産管財人の指導のもとで反省文を書いたり、数カ月間、節約しながら家計簿を付けたりすることで、裁量免責を貰える場合が多いね。
うーん・・・
「ほとんどのケースで裁量免責になる」って話は、前にも聞いたことがあるけど、具体的な数字としては、実際どのくらいの割合で免責不許可になる可能性があるのかなー?
免責許可を申立てた場合の最終的な着地点は、(1)免責許可決定、(2)免責不許可決定、(3)申立ての却下・棄却、(4)申立ての(自主的な)取下げの4つなんだけど、(2)の「免責不許可決定」の割合という意味でいえば、0.2%程度だね。
えっ?! たった0.2%前後しかないんだ。
思ってたより少ないね。それってつまり、1000人が自己破産を申立てたとしたら、そのうち実際に免責不許可の決定が出るのは2人くらいしかいないってことだよね?
そうだね。ただ裁判官によっては免責不許可の決定を出さずに、自主的な取り下げを勧めたり、個人再生に切り替えるように指示する場合もあるから、免責不許可の数字だけじゃわからないね。実際には取り下げのなかにも、免責不許可の人が結構含まれてるはず。
そっか・・・。
じゃあ、免責不許可決定や、申立ての却下、自主的な取下げとかも全部含めて、「免責許可決定が下りなかった割合」っていうのは、大体、どのくらいなのー?
そういう意味でいえば、免責許可決定が下りるのが全体の97%くらいだから、免責許可決定が下りない割合は2~3%くらいだろうね。2014年の日弁連調査によると、自主的な取下げの割合が2.75%程度あって昔よりも増えてきてるみたい。
  • 免責不許可決定が実際に出る割合は0.2%未満。実は全体の1%もない
  • 免責許可が下りる割合は、全体(免責申立てされた数)のうち97%前後
  • 自主的な免責申立ての取下げの割合が2%前後あり、割合は年々増えている
  • 裁判官によっては免責不許可決定をださず、申立ての取下げを勧めている
自己破産できるかどうか、他の方法で借金が減らせるか診断してみよう

統計上の数字からみる免責不許可になる確率

最高裁判所の統計資料によると、平成23年の自己破産の既済件数10万7879件のうち、免責許可になった件数が10万5169件(97.4%)、免責不許可になった件数が174件(0.16%)、取下げや却下の件数が2536件(2.3%)となっています。

統計資料(平成23年)

項目 件数(割合)
免責許可 10万5169件(97.4%)
免責不許可 174件(0.16%)
取下げ/却下 2536件(2.3%)
合計 10万7879件

参考資料:破産実務Q&A 頁399

1年間で10万件以上の自己破産の申立て(免責許可の申立て)があって、そのうち、免責不許可の決定が出るのが174件ですから、それほど多くないことがわかります。

免責不許可の割合の司法統計グラフ-教えて!自己破産

免責不許可事由がある場合でも、よほど悪質でない限り、ほとんどは裁量免責となります。
また大阪地裁では、免責観察型 の管財事件がありますので、全国平均よりもさらに免責不許可の割合は低くなっています。

参考記事
裁量免責でギャンブルや浪費による自己破産でも免責になる?
日本弁護士連合会の破産事件の調査記録

日本弁護士連合会は3年に1度、およそ1000人程度の破産者を対象にした調査を公表しています。
その調査記録によると、近年の免責不許可の件数や割合は、
以下のようになっています。

項目 2014年調査 2011年調査 2008年調査 2005年調査
免責許可 96.44% 96.67% 97.85% 97.63%
免責不許可 0.00% 0.08% 0.17% 0.26%
却下/棄却 0.24% 0.24% 0.08% 0.26%
取り下げ 2.75% 2.11% 1.57% 0.88%
死亡終了 0.32% 0.24% 0.08% 0.09%

2014年調査
免責許可 96.44%
免責不許可 0.00%
却下/棄却 0.24%
取り下げ 2.75%
死亡終了 0.32%
2011年調査
免責許可 96.67%
免責不許可 0.08%
却下/棄却 0.24%
取り下げ 2.11%
死亡終了 0.24%
2008年調査
免責許可 97.85%
免責不許可 0.17%
却下/棄却 0.08%
取り下げ 1.57%
死亡終了 0.08%
2005年調査
免責許可 97.63%
免責不許可 0.26%
却下/棄却 0.26%
取り下げ 0.88%
死亡終了 0.09%

参考資料:日弁連「2014年破産事件及び個人再生事件記録調査」参考リンク

2014年の調査結果では、対象者1240件(47都道府県50地裁)のうち、免責不許可になった件数はなんと0件だったようです。一方で、自主的な取り下げの割合は、2014年には2.75%となっており、その割合は昔よりも増加しています。

免責不許可事由があり、かつ裁量免責も望めないような事案では、裁判所が自主的に取り下げを勧めたり、個人再生に切り替えるように指示するケースも多く、自主的な取り下げの中にも、実質的には「免責不許可」に該当する人が一定数含まれていると推測されます。
 

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